指を絡めて繋いでいます。片手だけではなく、両手の指を
からめ、まるで恋人同士のように。
始めは彼女も「変な繋ぎかた」「嫌!」と言っていましたが
毎日繰り返し「先生は○○ちゃんのことが好きなんだよ」と
目をまっすぐ見つめながら言ったりするうちに、彼女の中で
その手の繋ぎ方が普通になってきたうえに、この頃では
私と手を繋ぐ時は指をからめなければいけないと無意識に
自覚しているらしく、私がそっと手を差し出すと、自分から
指をからめてくるようにまでなりました。それが彼女の
当たり前の日常と変化したのです。少しずつ、彼女は私の女と
して出来上がりつつあります。
しかし私の女になるには、嫉妬をすることを覚えなければいけません。
彼女が生まれてから5年、そんな気持ちは今まで抱いたことはないはずで
す。
子どもはそんな世界では生きていないですし、彼女の性格からしてそんな感
情
は別世界の話なのです。
が、私のメスになるには必ず嫉妬する心を植え付ける必要がありました。
無理矢理にでもメスの世界に突き落とし、私に愛される喜びを覚えさせ、私
を
見れば顔を赤らめ、私の存在を絶対的なものにするためにです。
ある日彼女がいる目の前で、わざと他の子を抱っこしたり、他の子に
「先生は□□ちゃんの先生?」と○○ちゃんの前で意地悪く言ってみまし
た。
するとタイミング良く□□ちゃんは「うん!先生は□□の先生!」と言って
ギューと抱きついてきました。私は○○の様子を見ていました。
すると案の定、あまり良い表情はしていません。顔が曇っています。
大好きな恋人が他の誰かに盗られてしまうと不安になったんでしょう。
彼女の曇った顔は美しく、揺れ動く心の表情は女そのものでした。
彼女に聞いてみました。「□□ちゃんが先生は□□ちゃんの先生って言って
るよ」
彼女はすごく嫌そうな顔で「□□ちゃん…嫌い。もう遊ばない」と静かにつ
ぶやきます。
私は○○にメスの成長を感じました。
彼女の私への愛は深まっていた証拠でした。さらに彼女は「みんなで□□ち
ゃんと
もう遊ばない…」と、今までの優しい彼女からは想像も出来ないぐらい酷い
言葉が出ました。
女というのは浮気をした男を恨むよりも、男をたぶらかした女の方に
怒りを覚える生き物なのです。
彼女はまさにその女の怒りを覚えたのです。
いや、覚えさせられたのです、私によって。半ば強制的に。
私は彼女の心を徹底的に弄びたいので、そのあと「大丈夫、先生は○○ちゃ
んの先生だから」
と言って再び強く抱っこしてあげました。
すると彼女は心からの笑顔で抱きついてきました。安心したようです。
しかし私は彼女のアゴをクイッと持って、私の方を見つめさせ「○○ちゃ
ん、今変な気持ちに
なったでしょう?それが嫉妬、ジェラシーという気持ちだよ」と理解できる
はずもない
大人の話を彼女にしました。彼女は複雑な表情をしていましたが、それでい
いのです。
私の女として生まれてきたように意識を操作されていることにも気付かない
彼女は純真です。
これからも引き続き、彼女のその真っ白な心を、どす黒く、汚れた大人の世
界の色に
染め上げていこうと思います。