スカイさんの経験を拝読し、私も20年近く前のことを思い出して投稿しようと思いました。
私は今、40過ぎです。大学に合格すると同時に塾の講師を始めました。大学院を卒業するまでの6年間、ずっと講師を務めました。教える対象は高○受験を控えた子供たちです。夏期講習ともなると、私学の校舎を借りて数百名の子供たちと約一ヶ月の時間を過ごします。私の経験は、その夏期講習から始まりました。
当時の夏期講習では、確か10クラス程あったと思います。そのクラスは学力で分けており、私は一番できの悪かった子たちのクラスを担任していました。中には俗に言う不良な子たちもいましたが、塾に通ってきているのだからかわいいものです。夏期講習から参加する子もいるので、まずは自己紹介から始めます。その際、学生という身分を明らかにしないようにする為、年齢も偽っていました。
夏期講習とは言え、朝礼から始まって、各授業の後の居残り勉強(自主学習)まであり、朝から夕方まで子供たちと一緒にいると、本当に教師になった気持ちになります。自主学習では好きな子同士のグループになって机を囲み、一所懸命勉強する子やちょっと悪ふざけをする子など様々でした。私はその補修の際に、私はある生徒と出会いました。
その子は私のクラスの生徒で、ちょっと落ち着きのない美奈子と言います。小柄で丸顔。とてもかわいらしい顔立ちの中○生です。胸は大きめで、すでにCはあったと思います。そして美奈子の左腕には、かわいらしい顔立ちからは想像もできないほどの無数のリスカの痕がありました。
最初にリスカの痕に気付いた時は、言葉を失ったことを覚えています。自分よりも10歳近くも若い子が、こんなにかわいらしい子が、なぜ自分の腕に無数の傷を負わないといけないのか。とてもやりきれない思いになったことを覚えています。
補修の時間、美奈子は勉強をするというよりは、仲間の子たちとお喋りをするのが目的といったようでした。担任でもある私は、美奈子たちに声を掛け、勉強をするのか?しないのなら帰るように促しました。
最初は無視をします。そして次には「勉強してるよー」とうそぶきます。他の子たちの質問などにも対応をしないといけませんので、ずっと美奈子たちの相手をしている訳にはいきませんでしたが、何日かしたある時、美奈子と同じ中学の子が美奈子のことを教えてくれました。
美奈子はとてもかわいらしくて昔からもてていたと。そしてC1の時、知り合いの高校生たちに性的虐待を受けてから引き籠りがちになり、気付いた時は傷跡を重ねていたと。でも、持ち前の明るさで夏期講習からこの塾に行くことにしたと。この塾にしようと思った理由は、登校の時のビラ配りでおもしろそうな先生たちがいっぱいいたからだと。確かに夏期講習が始まる前のある期間、朝早くに塾に集まって、近隣の区の中学校の前でビラ配りをしていました。学校側には、事前に断りを入れていたようです。今から考えると、アナログな時代を感じます。
美奈子の過去を少しだけ知ってから、私は美奈子を少し意識していました。本当にかわいらしい子で、屈託のない笑顔は誰からも愛される雰囲気を醸し出していました。実際、他の教科を教えている講師からの評判も良かったです。
本論までの序章が長くてすみません。外出をするので、続きは改めたいと思います。