親戚との体験ってあるのかな。幼馴染ではありませんが、ここに投稿させてください。
約10年前、僕がまだ23才の頃の話です。
僕の実家で介護をしていた祖母が亡くなりました。無くなった後はかかりつけの医者と看護師が着て、実家で死亡診断。そして浴衣を着せたりの死後処置。当時から福祉関係で働いていた僕はこの一連の流れを詳細に覚えています。
そして医者から「後は葬儀屋さんを決めてもらって打ち合わせしてください」と言い残し、両親、兄弟、僕との間で、地元の葬儀屋を選び、ある程度のところまで打ち合わせが済んだ後の話です。
家族葬とはいえど、いちおう親戚にも祖母の訃報連絡をしなけれいけないだろうと電話を使って連絡していた時、いきなり「そんな葬儀じゃダメですよ。おばあちゃんが浮かばれない!」と、しゃしゃり出てきた女が、この話の主人公。日蓮系の新興宗教団体に所属している、親戚の「直美、当時28才」でした。
予め断っておきますが、日蓮系=某巨大団体をイメージする方もいるかもしれませんが、決してそうではありません。当時の僕も、おそらく誰も聞いたことがないマニアックな宗教団体でした。
翌日、祖母がまだレンタルの介護ベッドの上でドライアイスを当てられて、葬儀会館への移動をいつにするか。という段階。その直美は急遽、遠方の岡山から新幹線に乗って駆け付けてきて、「どんな感じの葬儀なのか詳しく教えて!?」と詰め寄ってきたのでした。今回の家族葬に唯一参加した、直系以外の親族でした。
直美のスペックなのですが、年齢は先述したとおり28才。身長低めの体形細め。髪の毛はロングのストレート(ポニーテールを兼用)綺麗な顔立ちに黒ブチ眼鏡が印象的。外見は悪くない。ただ・・・妙な宗教をやっているせいか独身の身でもありました。
結局、直美が言いたかったのは「葬儀のやり方によって祖母の魂の成仏するしないが関わってる」と言いたいのでした。要するに、僕達のような宗教に無知、葬儀屋の言いなりになって不必要なモノばかり買わされてる形の葬儀では祖母は成仏できないと言いたいのです。
それから直美が余りに熱心に、日蓮宗である当家の葬儀の事に口だしをしてくる形となり、かといって僕達喪家が日蓮宗の事を知ってるのかどうなのか、と言われてみれば知らない事も多いのは事実。
結局、直美が葬儀を仕切るような形となり、葬儀屋との間で注文していた棺はグレードダウン、提灯や祭壇は不要。葬儀屋に紹介してもらう予定だった地元の日蓮宗の寺は断り、私が代わりに読経してあげてあげる。とまで言い出す始末でした。
当然のように(こんなんでいいのか・・・?)という疑問は払拭できませんでしたが、葬儀代金は90万(寺院への布施代含む)くらいを予定していたものが35万くらいまで激減。そして、その35万の葬儀代金も直美が施主という形で全部出すから。という事で話が決着。
葬儀社には恥ずかしかったですが、もう一度家に着てもらって、改めて見積を立ててもらうような格好になったのです。
葬儀担当者が来た時、両親は顔を合わせずらかったのでしょう。「後は直美ちゃんに任せて、俺らは買い出しに言ってくる」といって外出。兄貴は仕事に行ってました。
この時、葬儀社の担当者と直美と僕の3人で打ち合わせという格好になったのですが、実際は話をしているのは葬儀社と直美の二人だけ。僕は実家の角テーブルで打ち合わせをしている二人を見ながら、ずっと夏の高校野球を見ておりました。
この時、直美が必死に日蓮宗の葬儀の知識?をひけらかしながら葬儀屋と値段交渉をし、実は角テーブルの下で喪服パンチラをしており(笑)僕は相談風景を見ているフリしながらずっと、角テーブルの下の直美の喪服の黒スカート、黒ストッキングから見える白パンチラを眺めていたのです。(喪服パンチラ最高でした)
そして、話を戻しますと直美は信じられないような予定変更をやってのけました。
もともとのスケジュールでは、再相談をしていた当日に葬儀会館で通夜。そして翌日に本葬。という形だったのを「会館を使えば会館使用料がかかる」という理由で、通夜も実家で。そして本葬も実家でやって直接、火葬場には実家から霊柩車が出るような形式となったのです。
葬儀社からすればたまったものでは無かったと思います。予定通り、会館に通夜、本葬の準備をしていたものを全てキャンセル。それどころか、今度は逆に実家に棺などを入れに来るために資材の搬送に来ないといけないのです。
葬儀社は「資材搬入の事を考えると、もう今日の通夜は間に合わないんで、通夜は明日にしてください」と言って帰りました。
すると、直美は得意げに「ね?ちゃんと交渉したらこれだけ安くなるでしょ?葬儀社なんて客が無知な事を利用して、なんでもかんでもふっかけてくるんだから」と得意げになっていました。
葬儀社との打ち合わせが終わった後、ここから直美の独壇場となっていきました。
直美は小さな経本?を片手に、、トイレ、メシ、風呂以外の、全ての時間をその経本を読みながら、仏壇の前に安置されている祖母の前で、お経を唱え続けるのです。
流石にこれには両親や兄弟も(直美ちゃん、大丈夫か?)(普通の宗教なんか?カルトとかじゃないだろうな)といった会話がささやかれていました。(案外、僕はそこまで不気味には思いませんでしたが)
ですが90万近くかかったはずの葬儀を35万以内に納め、なおかつ施主という形で葬儀代金を全額負担するという直美には、一切意見する事が出来ず、、、今回の祖母の葬儀=直美のなすがままに。という形となったのでした。
それから夜の22時。直美が線香の寝ずの番をするという事で祖母のすぐ隣に布団をひく事になっていました。両親は両親の寝室。兄貴は自分の部屋。僕も自分の部屋で寝る予定でしたが、僕はわりとそこまで直美ちゃんを不気味がって居なかったという事もあり、とりあえず眠くなるまで直美ちゃんの線香の番に付き合う事になったのです。
今思えば、僕はむしろ直美ちゃんに好意すら覚えていたと思います。理由といっても、うーん。わかりませんが、まず初めに普通に可愛いというか僕好みの外観をしている部分が大きかったと思います。
また、僕も当時は付き合ってる彼女もいなかったので、独身というステータスがハッキリしている女に(いくら親戚といえど)拒む理由なんてなかった事。
さらにいうなら、僕は大卒してから福祉業界で働いており、もっとヤバイ若年性認知症の方や、統合失調症の方、精神障害をお持ちの方、それに連なるご家庭を見ているので、今更「宗教にハマっている」という事くらいでは偏見が沸き起こらなかったのです。
むしろ、いっその事、この祖母の葬儀をきっかけに、普通に付き合ってくれたら(直系親族ではないので)ありがいのに。くらいに思っていました。いっても23才の頃の思考ですが(笑)
僕「そろそろ風呂入って着替えたら?代わりに線香みておくから」
直美「じゃ、そうしようかな」
僕「バスタオルとか風呂場に用意してるってオカン言ってたから。適当に使って」
直美「わかった。ありがと」
このやり取りの直後、意外な方向性にシフトしていったのです。