突然、元カレからメールがきて押しきられる形で会う事になった。
当日は雨降り。
待ち合わせの駅前のコンビニで携帯をいじってると除き込むようにしてきた懐かしい顔。
ん…外見は変わらず私好み。
「久しぶり」
傘に彼を入れてあげる。
「車ないけど、どうする?」
「うーん…取り合えず移動しようか?」
駅のロータリーからタクシーに乗ると彼は行先を告げる。
「髪切ったんだね」
「うん」
「ストレートにしたんだ?」
「うん…変?」
「いや、そっちもいいよ」
そんな事を言われると、まだ私に気があるかと勘違いしてしまう。
わざとなのか天然なのか分からないけど、もてあそぶのが上手い。
世間話を敬語とタメ口を混ぜながら話す。
「最後に会ったのいつだっけ?」
「去年の…秋?」
「そうだっけ?」
「新しい車には乗せて貰った記憶があるから…そこら辺」
「あーそうだな」
元カレが新車を買った直後に別れた。
「車持ってこれたらよかったんだけど」
「飛行機だもん、しょうがないよ」
私はそう言って愛想笑いを浮かべた。