タクシーを呼ぶ選択肢もあったけど、帰ってから一人で様々な事をこなすのは、かなり困難だと思うくらいに痛みはあったので、やっぱり入院は正解だったと思った。
女医の静江先生は弁当のみならず、お菓子やらケーキやら明日のパンまで買ってきてくれた。
袋に入った菓子パンではなく、パン屋さんにまで寄ってくれたらしい。
小さなワンドアの冷蔵庫も使えたから、ドリンクも補充しといてくれて至れり尽くせりだ。
「ねええ、せっかくだから私もお弁当ですませちゃおうと思って買ってきたの。私もここで食べてもい~い?」
断る理由もなかった。
弁当代を払おうとすると、それは奢ってあげると言う。
治療費なんかはまとめてお母さんが払うみたいだから、会計しないで帰って大丈夫だからと言った。
あらためてお互いに簡単な自己紹介的な話をしながら弁当を食べた。
静江先生はご主人とは離婚し、実家に戻って後を継いだそうだ。
娘さんがいて、大学に近い場所で一人暮らしをしていて、今この上の三階で静江さんは一人で暮らしている。
うちの母親より少し年上のような感じはしたが、まだ40代後半?あたりかなと思った。
一見毅然とした女性に見えるが、話してみるとなかなかさばけた人で、会話していても苦痛ではない。
むしろ話は尽きず、結局九時過ぎたりまで話し込んでしまった。
その頃には印象もさらに上がっていて、いい女だなぁなんていっぱしに思っていた。
白衣は脱いでいたが、薄いニットにグレーのスカート。黒いストッキング(たぶんパンスト)がどことなくセクシーだった。
セクシーという言い方より色っぽいの方があってる言い方かもしれない。
暗い部屋でサスペンス劇場みたいなものを観ていると、雨が降ってきた。
億劫ながらも窓際に行き窓を開けた。
見馴れない景色だが、見方を帰ると道自体は知ってる道ではあるから不思議だ。
どんなに環境が変わろうが変わらないのは性欲なのが十代だ。
柔道着をさらに簡略化したような服に着替えようと上半身裸になると、条件反射のように股間が疼き出す。
別に病気で入院してる訳ではないので当然だ。
そのまま裸になってオナニーをした。
自然と静江先生のことを考えていシコシコしていた。
翌朝も雨のままだった。九時過ぎくらいに起きてパンをもそもそ食べたりしてると静江先生がやって来た。
「おはよ~う!よく眠れた?」
当然のように脚の様子を見てくれた。
まだまだ腫れてはいたが、昨日ほどではない。
とにかく安静にするように言われた。
お母さんが迎えに来るまではのんびりしてなさいと言われた。
待合室から漫画や雑誌を持ってきてくれた。
「若い男の子には一泊の入院でも退屈でしょ?」「いえいえ、かなり快適で良かったです。家出する機会があったらまた入院させてください!」静江さんは笑って、いつでもいいわよって言ってくれた。気のせいかちょっと悩ましい言い方のような気がした。
母が迎えに来ると、二人はけっこう話し込んでいた。
共通の友人知人などがかなり居たらしい。
母も顔くらいは知っていたと後で聞かされてビックリした。
帰りの車中、「今度何かお礼しなくちゃね。入院費も取ってくれなかったし」
それから母は、話してみると意外とくだけたかんじなのねえと褒めていた。
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