2018/12/15 15:12:26
(xXhpjvIy)
こんにちは、恭子と申します。
現在、神奈川に住んでいますが・・・
最近の私は、昔からの友人に譲ってもらったスクーターによく乗っています。
都内のある場所にどうしても行きたくなって、そのスクーターを走らせていました。
かつて私が住んでいた町を目指します。
時刻はまだ夜明け前・・・
12月の冷たい風に、まさに身を切るような寒さでした。
都内の幹線道路に入ってからも、マイペースで走り続けます。
周りは車がびゅんびゅん飛ばしていました。
おりからの強い風にあおられて、運転しながらふわふわした感じになります。
私は必要以上にスピードを出しませんでした。
事故なんてまっぴらごめんです。
だんだんと目的地が近づいてきていました。
途中で左折して、住宅街の中をぬっていきます。
見覚えのある町並みになってきていました。
時間が時間だけに、歩いている人もほとんど見かけません。
町全体がまだ眠っている感じです。
以前に住んでいたマンションが見えてきました。
懐かしい気持ちと感傷的な気持ちを入り混じらせながら・・・
そのまま前を通過して目的地を目指します。
昔は、何度となくそこへ自転車で行ったものでした。
あんなに遠いと思っていたのに、スクーターだとわりとあっという間です。
やがて住宅街の中に現れた緑地帯・・・
停車してエンジンを切りました。
両手で押しながら、隣接した公園の中に入っていきます。
駐輪場にとめました。
(寒い!)
でも、目の前の風景が懐かしくてなりません。
ヘルメットとグローブを取りますが、からだが凍えきってしまっていました。
指先が完全にかじかんでしまっています。
公園はまったくの無人・・・
とりあえず道路沿いの自販機に行きました。
温かいコーンスープでも買おうと思ったのですが、あいにく売り切れになっています。
コーヒーもホットは売り切れになっていました。
温かいもので販売中なのは、缶のおしるこしかありません。
仕方なくそれを買って口にします。
温もりを得ることはできましたが、甘さが強烈でした。
多少後悔しながらも、スクーターのもとに戻ります。
アウターの上下を脱いで、中に着こんでいたジャージの姿になります。
脱いだ服は、メットインスペースに突っ込みました。
高校時代には陸上部で長距離を走っていた私です。
だからだとは言いませんが、この歳になっても贅肉のないすらっとした体型には自信がありました。
いまでも、ジョギングは趣味のひとつとして続けています。
川沿いの遊歩道まで歩いていきました。
この冷え切ったからだでいきなり走りだしたら怪我をするのは目に見えています。
入念に準備運動をしました。
それから、ゆっくりと走りはじめます。
街路灯が一定間隔で遊歩道を照らしていました。
真っ暗だった空も、かすかに白みはじめてきています。
ウォーミングアップでした。
からだをあたためるために、適度なペースで走ります。
誰にも会いませんでした。
しばらく行ってから橋を渡って、今度は川の反対側を走って戻ります。
再びもとの公園が近づいてきてスピードをゆるめました。
自分のスクーターのところまで歩いていきます。
軽く息があがっていました。
それなりに、からだもあたたまってきています。
(これならだいじょうぶ)
ジャージを上下とも脱ぎました。
もうぎゅうぎゅうでしたが、それもメットインスペースに押し込みます。
インナーのパンツが見えそうなぐらいに、極端に丈の短いランニングパンツ・・・
サイドが切れ上がっていて裾がぶかっとしているレース用のランパンでした。
上はユニフォームに近いスタイルのノースリーブ・・・
中にはスポーツブラをつけています。
テレビのマラソン中継で見かけるような選手の格好に近い、完全に『競技者』の服装でした。
冷気が全身を包みますが、からだはあたたまっているので大丈夫です。
ゴムで髪をひっつめました。
夜明けの近づきとともに、みるみる周りも明るくなってきています。
遊歩道を走りだしました。
太ももまる出しのこの服装で、早朝の空気を裂くように川沿いを駆けていく私・・・
昔を思い出して、まるでタイムスリップしたかのような感覚です。
(懐かしい。。。)
住宅街の中を流れる細い川・・・
その川沿いの、この遊歩道・・・
かつて何度もこの服装を利用したやり方で、スリルと興奮を楽しんだ私でした。
そして、今・・・
同じこの場所を、再びこの格好で走っている自分がここにいるのです。
狙いは、あの頃と同じく『犬の散歩をしている男性』でした。
(どきどきどき)
あの頃の私はまだ自信に満ちていた・・・
今の私には何もありません。
でも、
(どきどきどき)
このどきどき感だけは、あの頃といっしょ・・・
軽快にジョギングしながら、川の反対側にも目を走らせます。
しばらく行って、
(いた・・・!)
向こう側の遊歩道に、犬のリードを引きながら歩いている男の人をみつけていました。
川を挟んだあっちとこっちで、お互いにすれ違います。
私は、ぐーんと加速してなおも走っていきました。
まだ200~300m(?)ぐらい先になりますが、次の橋が見えてきます。
(チャンス・・・逃さない・・・)
走りながら、ランパンの中に手を突っ込みました。
あそこが横にはみ出すぐらい、中でインナーのパンツをずらしてしまいます。
「はあっ・・はあっ・・はあっ・・・」
人が少ないこの時間帯こそがチャンスでした。
さらにペースアップして走るスピードをあげます。
橋まで来ました。
が・・・、急に気持ち悪くなってきます。
自分でも驚いていました。
きっと直前に飲んでしまった、あの『おしるこ』が原因です。
(だいじょうぶ)
それでも、いけると思いました。
一気に橋を駆け抜けて、川の反対側に渡ります。
さっきの男の人を追いかけるかたちで、そのまま走っていく私・・・
やがて、その後ろ姿が見えてきました。
わりと大きな犬を連れた、40代後半ぐらい(?)のおじさんです。
どんどん距離が縮まってきていますが・・・
だめでした。
ますます気持ち悪くなってきています。
思い描いていたイメージでは、追い抜いて少し行ったところで走りバテた演技をするつもりでいた私でした。
地べたにへたりこんでつらそうにすれば・・・
裾がぶかぶかの競技用ランパンは、ちょっと脚が開くだけで簡単に中がまる見えになるからです。
以前によく使ったやり方でした。
でも・・・
(だめだ)
(気持ち悪い)
みるみるうちに、本当に具合が悪くなってきています。
もう露出どころではありませんでした。
おじさんを追い抜きます。
そのままスルーして、もとの公園を目指す私・・・
(ああ、だめだ)
しばらく走ったところで、ちょっと緑地帯になっている部分が見えてきました。
足ががくがく止まります。
2歩・・・3歩・・・
・・・・4歩・・・・・・5歩・・・・・
よろよろと歩いていきました。
思わずその場にうずくまって、植え込みのところにげーげー吐いてしまいます。
尋常な気持ち悪さではありませんでした。
頭がぐらんぐらん回ってきて、泣きそうなつらさです。
おそらく一時的なものだとわかってはいても・・・
正直、心境的には救急車を呼びたいと思うぐらいの異変でした。
(だめだ・・・やばい・・・)
船酔いのような気分の悪さで、何度も吐いてしまいます。
同時に・・・
走ってじんわりかいていた汗が引いて、一気にからだが冷えていました。
急激に腹までくだしたような感覚が襲ってきています。
(最悪・・・こんなところで)
公園まで戻れば、どこかにトイレがあったはずでした。
でも、
「おえっ」
強烈な気持ち悪さと、吐き気と・・・
もう一歩も動けません。
(やばい・・・きつい・・・)
気づいたら、
「大丈夫ですか」
背後から声をかけられていました。
さっき追い抜いた、あのおじさんです。
つらすぎて曖昧に首を振ることぐらいしかできない私・・・
自分で演技しての仮病とはわけが違うのです。
ランニングパンツから剥き出しになっている太ももが恥ずかしすぎました。
あまりにもしんどい状態の自分に、涙が出そうになります。
かろうじて、
「だいじょうぶ・・です・・・すみません・・・」
顔だけ振り向いた私の美貌(?)に、目を引かれているおじさん・・・
(だめだ・・・つらい・・・)
もはや帰ることしか頭にありませんでした。
なんとか立ち上がって、
「すみま・・せん」
よろよろ歩きだす私・・・
おじさんが、私の顔をまじまじと見ています。
そして、寄り添うようにいっしょに歩こうとしてくれていました。
「本当に大丈夫なの?」
相手に下心がないことは直感的にわかっています。
心配そうに、
「この近くですか?」
声をかけてくれるおじさん・・・
私は、まともに返事をする余裕さえありません。
「おえ」
またこみあげてきていました。
緑地帯から遊歩道に出るまでも行かず、その場にしゃがみこんで吐いてしまいます。
そして・・・涙が出ました。
お尻の穴がきゅうっとなります。
もう限界でした。
このまま、漏らしてしまうよりはましです。
しゃがんだまま、中のインナーパンツごとランパンをずり下げました。
おじさんのほうを振り向く余裕はありません。
きっと『ぎょっ』としていることでしょう。
苦しそうにしゃがみこんでいる女が、目の前でいきなりお尻を出したのです。
(出ちゃう)
今にも漏れそうでしたが、どうしても覚悟を決められませんでした。
すぐ隣に男の人がいるのです。
こんな状況で、できるわけがありません。
リードにつながれた犬が、はあはあ言いながらおじさんの周りを右往左往しています。
もう吐くものなんてないはずなのに、強烈な気持ちの悪さでした。
せめてものお願いという感じで、涙声をしぼりだします。
「あっち・・向いてて・・ください」
胃が熱くなって、
「おえっ」
えずいていました。
同時に、後ろから「びゅっ」・・・液状のものが出てしまいます。
おじさんが背中をさすってくれました。
あまりにも苦しすぎて、もはや恥ずかしいなんて思ってもいられません。
「おえ・・・おえっ・・・」
おじさんに背中をさすられながら、びゆーっ・・・・
びゆーっ・・・う○ちを漏らしていました。
完全に液状になった便が、あたかも水のようにお尻から噴き出しています。
泣きました。
演技なんかじゃありません。
お尻がまる出しなだけでも恥ずかしいのに・・・
男の人に寄り添われたまま、
「びゆーっ、ぶりゅぶりゅぶりゅ」
このときの私のみじめさを、文章で表すことなど不可能です。
そのあとのことはよく憶えていません。
いえ、本当は憶えていますが書きたくありません。
公園にたどりつく前に、さらにもういちどおじさんの前でお漏らししてしまった私・・・
そのときの屈辱的な自分の姿を、私は一生忘れることはできないでしょう。
なんとか帰宅してから浴びたシャワーのお湯の熱さを、あれほど有難く思ったことはありません。
けっきょく、完全に風邪を引いてしまっていました。
(天罰だ)
(悪いことばかりしてるから)
一人暮らしの体調不良ほど心細いものはありません。
その後、高熱を出して2日間も寝込んでしまった私でした。
(PS)
完全に失敗談というか、苦い体験です。
たまたま睡眠不足が続いていたときだったというのもあるのですが・・・
スクーターでの防寒が甘かったのと、直前に一気に飲み干してしまったおしるこが原因だったように思います。
帰ってきて計ったら、けっこう熱が出ていました。
すぐに病院に行ったら普通に風邪とのことでしたので、今はもう問題ありません。
おかげさまですっかり回復しました。
でも、あのときは本当に苦しくてつらかった。
まさに上からも下からも止まらなかったという感じです。
あのおじさんにも悪いことをしてしまった。
きっと、見たくもないものを見てしまったんだろうな・・・
長文にお付き合いいただいて、ありがとうございました。