2021/03/18 15:50:02
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1:色仕掛けへと繋がる最初の一歩
営業部に就任し、最初の半年~1年はつらい日々の連続でした。これは会社の体質というものなのか、そもそも営業なんていうのは個人事業主の集まりのようなもので、誰も私にアドバイスをしてくれる人や親身になってくれる人は皆無でした。
ただ毎日毎日、営業車に乗って手元のリストを睨めっこしながら挨拶回りをするだけ。もちろん結果もなにもなく、本給プラス少しの残業代を稼ぐだけの毎日で生活も苦しく、何度も辞めようと考えていた時代があったのです。
そんな中、意外な事に私の身近な友人からのアドバイスで「着ていく服装変えてみたら?この前、街でバッタリ会ったとき、一瞬、どこの保険屋のオバハンかと思ったよw」と言われた事があったのです。
確かに、よく回りを見てみると・・。葬儀会社といっても定められた制服着用を義務つけられているのは儀典係という葬儀進行に関わる部署だけであり、営業は基本、スーツも自前。ネクタイも自前なのです。それを何を思ってか、(新人だし葬儀会社だから地味なものにしなきゃ)と思いこみ、紺のパンツルックで活動していたのでした。
最初、服装を変えた切っ掛けは偶然的なものでした。
営業回りをしている時にマクドナルドのドライブスルーでコーヒーを買い、それを飲みながら運転していた時の話です。右手ハンドルで左手にコーヒーを持ち、のんきに運転をしていたら、急に障害物をさけようと隣車線の車が強引に割り込んできた際、その車との衝突を裂けようと咄嗟に思わずコーヒーを持っている左手でハンドルを支えてしまい、コーヒーが見事に腕や胸元にかかってしまったのです。
私「ちょ!!!! オイ!!!!!」と車の中で叫びましたが、そんな事よりコーヒーがかかった部分が熱いww
とにかく服を着替えなきゃと営業先に遅れる旨を連絡し、いったん自宅へと立ち寄ったのですが・・。家にあるスーツなんて基本、20代の時に建築会社でOLしてた時のものが2着あるだけ。それもすべてタイトスカートしかもっていませんでした。
とりあえず中でも一番、まともなベージュのタイトスカートのスーツに着替えた私は、部屋を出るときに鏡を見た際、あまりに黒の地味な髪型とベージュのスーツのミスマッチに気が付き、、、
(やりなおし!!!!)
と、すぐさまシュシュで髪の毛をポニーテールに仕立てなおし、さらにコーヒーが若干浸透していたブルーのシャツから白のブラウスへ。黒のパンプスから白のサンダルへもチェンジしました。
(なっつかしーなw 前の会社で働いている時、こんな感じだったなー)と思いましたが、昔の余韻に浸っている訳にはいきません。すぐに相手先に向かう為に車を飛ばしたのです。
そして、相手先の駐車場に車を止め、カッカッカッカッとサンダルの踵の音を鳴らしながら、ブラウスからオッパイをユッサユッサ揺らながら走って相手先へと訪問すると、その時すでに施設長さんが私が走ってくる光景を2階の窓から見ていたらしく、開口一番「雰囲気かわってない?どこの美人さんかと思ったよwww」と言われたのでした。
そして何事もなく、その施設での営業活動をこなした私でしたが、その段階で確かな実感を得てた事があったのです。それは、施設長の対応が以前とまったく違うという点。そして、施設長がことある事に対面に座る私の両膝に視線を送り(足を閉じているので見えてないと思いますが)性的な目で見ていたという事。そして何より、「もし、またうちの利用者さんでお亡くなりが出た場合、MMセレモニーさんを進めてみるよ」という言葉を頂けたこと。
ただ髪型と服装を変えただけでこの対応の違い。今まで黒髪をただストレートにし、紺色のパンツルックでウロウロしていた私は、相手からすれば時間を割いてまで話し込む程の相手では無かったのかもしれません。ただ今回は違いました。どちらかといえば私のほうが早く帰りたかったのに、相手のほうが無理に会話を伸ばして引き留めようとしてくる状態だったのです。
「着ていく服装変えてみたら?この前、街でバッタリ会ったとき、一瞬、どこの保険屋のオバハンかと思ったよw」
この言葉の意味をじっくり考えてみる必要があると気が付いたのです。そして、これが私が色仕掛けを初めていくすべての切っ掛けだったのです。
それからの私は、20代の時のベージュのスーツ(タイトスカート)白ブラウス、白サンダル、髪の毛はシュシュ。これは非常に大きな武器になっていきました。そして髪も軽く明るい色にカラーリングしました。もちろんメイクパターンも少しチェンジしました。
今まで、冠婚葬祭の葬祭のイメージだった私は、少しづつ冠婚イメージへの変化を始めたのです。
とはいっても、仕事に出るときはいつもの紺色のパンツルック。そして途中から営業車の中で着替えるという面倒な方法を取っていたのは、まだこの頃、私は会社の中では新人扱いをされており、私の後に入社した後輩がいる訳でもないので、周囲から急に外見が変化して目立ってしまう事を避けていたのです。(髪の色とかメイクパターンは隠しようがありませんでしたが)
それから私の一日の営業回りは、午前中はB~Cランク(に設定されていくであろう)病院(施設)を回るようにしました。午後からはこの先、Aランク~Sランク(に設定されていくであろう)病院(施設)を回るようにしました。その理由は、何度も何度も車の中で着替えてメイク直しをしたくないからです。
あくまで、服を着替えた事に対して、好印象を抱いてくれている、あるいは抱いてくれそうな場所には着替えていくけど、最初からそうではなさそうだと分かっている場所には、普段どおりの格好で営業回りをしたのです。