いつになったら露出をやめられるのか。このまま見向きもされないような老
人になってまで抜けられないのか。最近、僕はとても悩んでいます。こんな
性癖に振り回され、人生をただひと時の快楽のために浪費している自分。誰
のためにもならない、もちろん自分のために何ら益とはならない行為と時
間。日々、わずかな快楽と引き換えに警察に怯え、同僚や家族に知られるこ
とを恐れ、その一方で中毒のように繰り返してしまう。怒張したペニスを見
せ付けられた女性たちの眼差しは「奇知ガイ」を見る者のそれです。僕は路
上に吐き出されたゲロのようなもの。吐き出してしまえば気持ちは良くなる
けれど、後に残るのは情けなさと後悔。路上での射精のあと、ふと正気に戻
る瞬間僕は思い出す。「こんな自分になりたかったのか?」打ち捨てられた
かつての夢や希望。そういったものとは似ても似つかない今の自分。こんな
ことは一度ではない。何度もやめようと決意した。まだ警察には捕まってい
ない。コンビにでも路上でも駐輪場でも電車の中でも海岸でも・・・。人々
はかろうじてこんな哀れな僕を見逃してくれた。何とかしてやめたい。なり
たかった「あの自分」へ向かって歩き出したい。そう考える一方では明日ど
こで露出をしようか考えてしまう自分がいる。屋内プールか、よく行くコン
ビニか・・・。まるでもうひとりの自分が頭の中に生きているかのようだ。
しかしどちらも間違いなく自分自身なのだ。その境を揺れている今の時間が
とてもくるしい。