埼京線の電車がゆっくりと赤羽の駅を出る。
左の上から、新幹線の線路が下りてきて並走を始めると、
電車はすぐに、神社と女子校をくぐるトンネルに入った。
通勤快速・・・武蔵浦和までは停まらない。
外は夕刻を過ぎ、夜の帳が迫っている。
明るく車内灯に照らされた電車が、
光の帯となって高架線を駆け抜けていく。
僕と彼女は、進行方向左側のドアに向かって立ち、
秘めやかな行為を続けていた。
左の後方から、強いビームの前照灯が迫ってくる。
巨大なカモノハシを思わせる、2階建ての流線型。
新幹線も、大宮までは、都市騒音に配慮して、
埼京線の通勤快速と、それほどの速度差はない。
ゆっくりと、こちらを追い抜いていく新幹線。
ブルーと白のツートンに、黄色い細い帯、
MAXのロゴに彩られた車体。
柔らかな照明に包まれた車内には、
ビジネス客のくつろぐ姿があった。
その、新幹線に向かって、
彼女をドアに押し付ける。
ブラウスのボタンを、一つ、二つ・・・
中途半端にはせずに、全て外してしまう。
他から見えないように、
新幹線の車窓からだけ見えるように、
ドアのガラス越しに、彼女を露わにしていく。
ブラをずり下げ、胸を、乳首を露出させる。
ガラスに押し付けると、彼女の柔らかな胸は、
ぺったりとガラスに張り付くように追随する。
追い抜いていく通勤電車を、
若干の優越感を持って見つめていた、
新幹線の乗客の目・・・。
そのいくつかが、明らかにそれに気付く。
目を見開く者、背もたれから身を乗り出す者・・・。
「ほら、気付かれた。あそこと、あそこもだ。」
2階建ての列車、座席の密度は上下で倍になる。
「たくさんの人に、見てもらおうね・・・。」
ドアの窓の下ぎりぎり、
隠れているスカートの中で、
僕の手の中にたくさんの、
熱いものが溢れ、流れてきた・・・。