四十路になってから変な癖がついちゃった。
覗かれて心臓が破裂しそうになっちゃうの。
心臓の音が覗いてる人にも聞こえてるかもしれない。
そんなふうに考えたら尚更恥ずかしくて感じちゃう。
こんな私になったのは、三十代後半の時でした。
子供の運動会当日、朝早くからお弁当を作って行きました。
当日の準備係りにもなっていた私は、学校の先生がたと運動会の準備をしてました。
みんなが集まってきて、開会式が始まる少し前に校舎内のお手洗いに行きました。
ザワザワしてる校庭とは裏腹に、解放されてる校舎の一部にはいったらもの静かな空間でした。
校舎内のお手洗いは、子供達用と父母用と教職員用に分かれてました。
校舎の裏から入って父母用のお手洗いに行く途中に教職員用がありました。
急いでましたし、そこで済ませちゃおうと思ってお手洗いのある廊下の曲がり角を曲がった時です。
教職員用に事務員の女性が入って行きました。年齢的には私と同じくらいか少し上くらいのかたでした。
私は、仕方なく父母用のお手洗いまで行くことにして教職員用のお手洗いを通り過ぎるつもりでした。
少し廊下からは奥まったお手洗いの入り口です。
たった今、女性事務員さんが入っていったはずの女性用の扉を開けて入って行った男性の後ろ姿を目にしました。
えッ!?
何?
私は間違って入ったなら、教えなくちゃって咄嗟に思って扉を開けて見ました。
中には誰も見えなくて、個室前まで行ってみたら4つある個室なのに、隣りどうしの個室2つが使用中でした。
私は、急にドキドキしてました。
少し個室から離れてから、扉を開けたふりをしてかがんで見てしまいました。
1番奥の個室には事務員さんが。
手前の個室には男性が、四つ這いで膝をついて床に顔を横にして付けて覗いてみてたのがはっきり見えました。
事務員さんは気づいてないみたいでした。
私は静かにお手洗いをでようと思ったんですけど、廊下から話し声が聞こえて、外にも出るのが躊躇われて、扉を開けたふりをして、奥に行きました。
個室の扉を閉めたら、向こう側の個室から出て行く音が聞こえたあと、続いて個室の扉を開けた音がしました。
私は緊張して、したいのにでなくなってました。
破裂しそうなのに、出ないんです。
男の人が多分近くにいる。もしかしたら覗かれてるかもしれないって思ってました。
早く済ませたいのに、出ません。
そのうちに、たぶんあの男性が私の前の個室に入ってきました。
下から見えないように中腰になってたのも原因?って思い、もうどうでもいい見たいなら見ればって気持ちになって、すっかりしゃがんでみました。
それでもなかなかでなくて、やっとだせて校庭に戻れたのは開会式が終わって第一競技が始まるところでした。
あのときから、私は意識してお手洗いに行くようになりました。