それから驚くべきことに、半年があっという間に過ぎた。
愛美ちゃんとのフェラ事件があってから、すぐに俺は葉月とも深夜勤務になるんだろうな。くらいに思っていたが、葉月は深夜帯は入れなかった人らしく(その時は深夜はいれない事情があったとの事)葉月さんと深夜勤務で一緒になることはなかった。
この半年間、あれから変わったことといえば、俺自身が介護に携わる人間として、目まぐるしい成長を遂げたこと。そして会社の支援でホームヘルパー2級を取らせてもらったということ。そして、よほど難しい、医療系の知識とかもいるような難しい業務以外なら、たいがいの事はこなせるようになったこと。
激動の半年だった。
愛美ちゃんとはあれから何度も深夜勤務で一緒になることも多かったが、あの日以降にもフェラをしてもらう事が多々あった。その時は条件みたいなものはなく、ただ、「やって♪お願いw」とねだれば、「仕方ないなぁw」と、もともとは仲よかった二人なので、仕事中にフェラしてもらう事もあった。
もともと、愛美ちゃんはじわりじわり攻略していく系の子だったのかもしれない。最初はフェラだけ。それからほどなくして、指でクリを触ることまでは許可してくれた。そして次は舌でクンニする事まで許可してくれた。結局、最後の本番行為だけは最後になって「ダメ!」の一点張りでなかったが。
(これは愛美ちゃんが実は彼氏がいた。彼氏の事を考えて、本番はダメ。でもフェラはできる。っていうのだから、愛美ちゃんの人とナリが大体わかると思う。)
ともかく、お互い、ある程度気を許した関係だったので、本番こそはできないが、この退屈な夜間業務を少しでも、スリルや興奮のある時間にしょうと思っていたんだと思う。
半年たって、俺は(愛美ちゃんといつ本番できるのかなw)くらいに楽観して考えていた。仕事も大体はこなせるようになったし、俺に限っては難しい人間関係の派閥とかギクシャクもなかった。ただ、葉月にだけは味方しない。という愛美ちゃんの背後からの監視だけがあったので葉月と仲良くなることはなかったが。
そんな中、俺はある秘密を握ってしまった。めちゃめちゃダイレクトな現場だった。
それは俺が利用者さんの部屋の備品、(それこそテッシュペーパーとか芳香剤等)を交換しに昼間回っていた時、俺がエアコンのフィルターを外すことに集中していた時に、背後で葉月がこっそり利用者さんの鞄の中の財布から、5000円をポケットに入れるを見たのである。たしかにこの目で見た。間違いはない。
でも俺は、一瞬気のせいかと思った。仲がそこまでよくないといえど、葉月はどうみてもそんな事をする人間には見えない。けっこう活発で「今度、フルマラソンに挑戦するんだw」 なんて言っているような、そんな精神的な意味でも健康そのもののイメージがあるのだった。
しかし、俺の目が錯覚を起こしたのだとも思えなかった。それから俺は、もともと愛美に味方しなければならない立場だったので、これといって葉月に恨みはないが、彼女の行動を監視している俺がいた。
それからさすがに、ダイレクトに金を盗んでいる葉月の姿は見なかったが、やはり利用者さんの間で、「あれがない。これがない」というのが目立って見えた。以前からあれがないこれがない系のトラブルは結構あったんだが、なんせ、利用者さんの事だからアテにはできない。
しかし、俺は別の形で徹底的な証拠をつかんだ。それは、葉月がいつしか深夜帯の仕事をするようになり、たまたま俺と夜勤が一緒になって葉月がトイレに入っている時に、葉月の鞄の中を見たら(まあ。俺のこの行為も悪いんですけどw)葉月とはぜんぜん関係ない利用者さんの名前が入った10万円はいっている封筒を葉月が持っていたのだった。俺は思わず、ケータイで証拠写真を撮った。
俺はそのころ、今思えば自分では派閥とかグループとかに属していない。と思っていただけであり、愛美を中心とした愛美グループと仲よくしていたという事実がある。もちろん葉月は敵対グループだった。
そして葉月は俺に対しても、オネーサンぶって言い方は厳しく、俺のアラ探しばかりされているような感じはあった。正直、葉月の事は苦手だったし、愛美にもよく葉月の愚痴を言ったりしていた。
俺は気が付かないうちに、派閥とかグループの中に所属してしまっていたんだと思う。
その中で、「モノ(やカネ)がなくなる原因は、葉月」という徹底的な証拠をつかんだ俺は、このネタを使って葉月を操ろうかと思っている自分がいた。正直、今思えば情けないけど・・・俺もその時はこのドロドロした世界の一員だったんだ。
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