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事故からぼたもち。

投稿者:梵語 ◆kMdoUJ39Cc
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2019/06/30 15:10:54 (Uf3nFTM.)
僕(34)は病院や介護施設で使う、介護用品(分かりやすく言えばオムツなど)を配達する会社の配送部門に勤めています。職責は係長補佐という中間管理職です。

この仕事は車を使う仕事なので、やはりいつになっても事故が絶えません。

事故の種類は3年に1回のペースで人身事故(死亡事故とかではありませんが)そして3か月に1回のペースで自損事故。

もともと、この会社は俺が勤めたころの10年前では事故に対しては非常に緩い対応でした。人身ならともかく、自損事故なら10000円の罰金を払って終わり。その10000円の罰金は次回の飲み会の時の積み立て費の中に含まれるというシステムです。

そんな温情処置がとられていたのは、会社の経営者の先代社長が細かい人間ではなかったという事があります。

ですが、先代社長が亡くなってから、その息子へと社長が移り変わると会社が少しずつブラック企業と化していったのでした。

もともと小さい会社だったのでトップが変わった時の影響力がかなり大きいというのもあるとは思います。

なので今となっては自損事故を起こした場合は始末書を書かされ、そして1~2か月の運転停止処分。その間はずっと電話番をするか事務仕事の雑用などをやらされます。

もともと配送があるからこそ、外回りにでて自由な時間を過ごせ、好きな時間に好きな食べ物やに入り、運転中はラジオを付けるなり音楽をつけるなりし、ストレスフリーなこの仕事も、運転停止処分にされたら地獄へと一気に転落してしまうのです。

どうやら今の社長の頭の中では、厳しくすれば事故がなくなる。とくらいに思っているのでしょう。

そのような背景もあってか、この会社で事故を起こしたやつは、まるで罪人かのように扱われてしまうのです。というか、罪人のように扱う会社の体質が、この10年で出来上がったといったというほうが現実的かもしれません。

みんな言葉の上では、「こんなシステムおかしい」「社長はこんなやり方で正しいと思ってるのか」等と言いますが、態度は別です。

ハンドルを握れる人間が一人減ったら、自分のところに仕事が回ってくる。残業が増える。そんな文句を腹の中に秘めているのです。

事故に対する考え方ではなく、もともとウチの会社が小さかった時代は「誰かのミスはそっとかばってあげる」という会社でした。しかし今は、会社が前より大きくなり、人員が増えた事もあるのかもしれませんが「誰かのミスがないか、荒を探しまくって報告する事が正義」という体質に変わってしまったのです。

そんな中、今年の4月から新入社員が5名入社してきました。どれもこれも学生あがりの22歳。男2名に女3名という男女比です。

僕の勤める部署にもその中から女2名と男1名が配送係として入ってきたのですが、その中の「田崎ひとみ」が今回の話の主軸となります。

いちおう、役職を持っている僕がこの新人指導をする立場に任命され、それから仕事を1から彼女らに教えるのが僕の業務となりました。

もちろん車の運転の仕方(特に田崎は免許を取ったばかりなので)から始まり、日常の業務のイロハ。そういった内容を教える事です。

が・・・速攻、田崎はやっちゃったのです。

狭い介護施設の駐車場から左折で曲がるときに、花壇の角に気が付かずに左ボディの側面をガリリリ。。と。

接触した瞬間にハンドルを戻さず、そのままバックに入れて戻りさえすれば被害は軽いものでした。しかし、そこは運転初心者、左にぶつかったから。という理由でわざわざ右にハンドルを切ってバックしたものだから、余計にガリリの被害が大きくなったという始末でした。

むろん新人だろうが、なんだろうが事故に対しての対処は同じ。それから1か月、田崎は運転停止処分になり事務仕事の雑用をやらされるハメになったのです。

そして6月の初旬、つまり今月の話です。

運転停止処分が解禁された田崎は、またまたやっちゃったのです。

今度は取引先の駐車場の中で方向転換をするときに一時的に壁際のスペースに車を入れる時、その時壁側にあったエアコンの室外機が死角に入り、そのままバックでガツンと室外機を破損させ、車のボディを凹ませてしまったのでした。

しかも、、僕と一緒にその相手先に回っている時の話です。

かなり長くなりましたが、ここまでが「あらすじ」です。



僕が取引先との納品確認が終わり、田崎が待っている駐車場へと足を運ぶと、そこには車の陰でしゃがんでいる田崎の後ろ姿が見えました。ただならぬ雰囲気に、まさか!!!と思って走っていくと、そこには壊れた室外機。そして凹んだ車のハッチが見えたのです。

僕「おおおいい、、、ぶつけちゃったのか!!」
田「はい・・・・」
僕「見えてなかったのか。。」
田「バックする時ミラーに映らなくて><」
僕「おいおい、いつも両方のミラーみてんのか?まさか片方だけしか見てなかったとか」
田「そうかもしれません。壁との距離がまだるから後すこし下がれると思って下がったら・・・」
僕「室外機があったと。。。」

そんなやりとりをした後、僕は会社の携帯電話を取り、係長か部長に報告しようと電話を取ったのです。すると「ちょっとまってください!!」といきなり田崎から電話をとりあげるような、そんな強硬的な姿勢を見せられたのでした。

普段から大人しくて、ニコニコしている感じの田崎でしたが、この時の狼狽ぶりというか、強硬的な態度に正直、かなり僕も焦ったのを覚えています。

僕「いやしかし、相手の室外機も壊してるし、これこっそり修理とかできないぞ。」(こっそり修理というのは10年前にはよくあった事です)
田「でも、もう処分解禁されてからまだ日にちも経ってないのにまたぶつけたら今度は首になっちゃいます」
僕「首にはならないって。。。処分はかなり厳しいとは思うけど、、、」
田「なにか方法ありませんか? 修理費を自分で持つのでこっそり直しちゃうとか」
僕「その、さっきから言う、こっそりって誰から聞いたんだ」

すると田崎は他の同僚、いや田崎からすれば先輩から「以前はこっそり修理とか普通にやってたんだけどね」という言葉を既に誰かから聞いていたらしいでのした。

そして、修理費がいくらかかるか知らないが、会社で罪人扱いされ、雑用をさせられ、何より、解禁になった瞬間、また事故った奴。と周囲に思われるのが嫌で、本人曰く「貯金を崩せば20万円くらいまでなら出します」と言うのでした。

とりあえず、事故報告は後にして、壊してしまった室外機の建物へと謝罪にいき、僕が名刺を出して事情を説明し、「必ず修理費用をお支払いしますので」という事で穏便には済ませてもらった。

そもそも、その室外機が付いているエアコンは普段使わないエアコンなのでただ修理してくれたらいいですよ。急ぎませんので。と言ってくれたのは不幸中の幸いかもしれない。

室外機はとりあえずこれでok 相手先が修理してくれるので、あとはその修理費をこちらが現金で直接支払うだけという段階までは話を決着つける事が出来た。

しかし、凹んでしまった車。こればかりはどうしようもない。

板金工場にもっていき、修理をしても2~3日は必ずかかる。(こればかりは・・・)と思っていた時に、もう隠蔽する気マンマンの田崎が言い出したのがこうであった。

田「あの、、私の家の近くに即日修理!って書いてる板金屋さんがあるんです。そこに行ってみましょう!!」

かなり強気のノリだった。本来なら部下が事故を隠蔽しようとしている姿勢を見て、厳しく注意しなければならない立場の僕でしたが、この時ばかりは判断を誤ったというか(だからこそ、結果として牡丹餅を味わったのですが)隠蔽できるなら、やってみる価値はあり。という考えになっていたのです。(以前なら当たり前の事だったので罪悪感は薄かったです)

事故を起こしたのが午前10時頃。それから午後まで少し時間があるので会社に戻るかどうかを検討していた矢先。僕はもし会社からから連絡があり、今何をしているのかを問われた時、(僕宛の要件の連絡などが会社に入ったと想定し)その時は「時間空いたから新人を連れて取引先巡りやってるよ」というつもりでした。

とりあえずその田崎の言う即日可能。という板金屋に行ってみる事にしたのです。

すると確かに、即日修理。と謳っている、そんな民間の小さい板金工場でした。そして壊れた商用車の軽自動車を相手に見せると、「ああー、凹んでますね。でもこのタイプは良く出るのでバンパーも在庫あるし、3,4時間かかりますけど修理は可能ですよ」という答えだったのです。

瞬間、田崎の表情が一気に明るくなり、「良かった・・・!!」と言ったのです。

もうここまできたら乗りかかった船。隠蔽作業に付き合ってやろうと心が決まった瞬間でもありました。

そして僕たちは、今度は徒歩でこの空いた時間の3時間。会社からの緊急の用事で「どこそこへ向かってください。何か納品が足りないみたいで先方が怒ってるみたいです」とかの類の電話がかかってこない事を祈りつつ、時間をつぶすハメになったのです。

とりあえず昼飯がまだだったので定食屋へ入りメシを食い、それからは板金屋の近くにある公園で時間をつぶす事にしたのです。


僕「はー、、なんとか室外機もナイナイで収めれそうだし、板金も3時間待てば完了ってとこか・・」
田「ほんとスミマセン、、ご迷惑かけてしまって」
僕「マジだよww これバレたらマジやばいぞ。事故ったというより隠蔽したっていうところがな」
田「そうですよね。。。」
僕「まぁ、室外機のところには俺んとこに直接連絡してくれるようには伝えてるし会社に連絡掛かってくることはないとは思うけど」(かかってきても普通に対応すればバレないと思いますが)
田「あとはこの3時間、何事もなく無事過ごせるかっていうところが勝負ですね」
僕「というか、修理代で20万円までなら出すとかいってたけど、大丈夫なんか?」
田「あの時は勢い余っていいましたが、、、実際は5万円くらいならだせます・・・」
僕「それだと足りないと思うぞ。普通に板金だけで5万以上はいくと思うけどな」
田「そうですかね。。。」
僕「まぁいいよ。とりあえず足りない分は立て替えておいてやるよ。で、給料はいったら返してくれたらいい」
田「ありがとうございます・・」

続きは後日。


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2
投稿者:(無名)
2019/07/01 17:08:51    (/sqrxDtH)
もう来るな
3
投稿者:(無名)
2019/07/05 05:58:50    (1IFS8EHz)
何だよ 単なる自損事故で落ち無しかwww

4
投稿者:(無名)
2019/07/24 13:49:59    (cztuvXS7)
人の話は最後まで聞け。

フランス書房でも 読んどけアホ

続編お願いしますね。
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