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2021/01/14 15:03:03 (B2KQM7U2)
夏ごろに体験談を投稿していたのですが、途中で更新が止まってしまっていました。楽しみにされていた方、ごめんなさい。
何人かの方からは感想も頂き、ありがとうございました。

冬休みを利用して続きを書いたので、新しいスレッドで改めて投稿させてもらいます。
初めから読みたい方は8/24の元の投稿と返信欄をご覧ください。
これが5つめです。

*********
体が震えるなんて人生で初めての経験で、自分の体なのにまったく自由にならない。恐怖と興奮と緊張がないまぜになったものが体と意識の半分くらいを支配していて、どうやら末端まで酸素が行き渡っていないようでもあった。足に力が入らず、片手で手すりを掴んでやっとその場に立っている。ガクガク震えるなんて漫画の世界の事だっと思っていた。でも、インフルエンザで高熱を出した時や便をもよおして我慢している時とは別次元の大きな振れ幅で足が上下している。震えてのせいで今にもかかとが音を立てそうになっている。

恐怖にはたぶんいくつか理由があって、ひとつは彼女がヤクザの美人局か何かで、そのうち怖い人が出てきて言いがかりをつけられるのではないか、という恐怖。ふたつには、こんなことをしているのが周囲にバレてしまって痴漢として突き出され、人生終わってしまうのではないかという恐怖。そして三つ目としては、このまま彼女に手込めにされ童貞を奪われ、それだけでは飽き足らず、誘惑されたり脅迫されたりを繰り返しながら奴隷として搾り取られ(なんなら病気も一緒についてきて)、もう正常な精神には戻れないトラウマを抱えるのではないかという恐怖。

それら以上に恐ろしかったのは、もうそんな闇の世界に片足を突っ込んでいるのに、自分ではその行為を止められないことだった。周囲に気付かれるかもしれない事を考えれば長く留まるほど危険なことは頭では分かっているのに、体が言うことを聞かない。下腹部は柔らかな肉体に包まれれて一体となり、そこで生じた熱が全身の神経を麻痺させている。

彼女の奥底にどっぷり浸った体はその場から一歩も引きさがろうとせず、むしろもっと強い圧を彼女に届けようとしている。冷静になろうとして視線を上げると、彼女が童貞の自分のイチモツを誘い込んで静かに味わっている横顔が目に入ってくる。その姿は掛け値なしにエロく、興奮がすべての理性を引き裂いて吹き飛ばそうとしていた。

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12
投稿者:雄一 ◆b4KLsfQ23A   tokyu-lines Mail
2021/04/12 13:07:32    (ALit2I1W)
楽しみにしてくれているのでしょうか? ありがとうございます。頑張ります。

これで11個目です。


***


こんどは彼女が前から後ろに戻るようにゆっくりと腰を動かし始める。カリが何かに引っかかると彼女から吐息が漏れた。そこが好きなのか、左右に腰を揺すったりしながら彼女は執拗にそこを押し付ける。やはり僕たちは数ミリずつしか動けなかったが、お互いの小さな起伏を感じ取るにはかえって好都合で、僕にとってはモザイクの向こうの世界が解像度をもって立ち現れてくるような感覚がした。

重なる場所が少しずつズレるたびに、新しい所から愛液が溢れて、周辺の摩擦が小さくなっていく。二つのの液が混じりあって粘り気のある潤滑油となり、性器のまわりをねちゃねちゃにする。彼女が数往復もする頃にはペニスの表面は乾きを失って、陰唇とショーツの間はすっかり湿ったもので満たされていた。もう皮膚をこすり合わせる恐怖はなく、入れ替わるようにして彼女との間にある人としての境界のようなものが消失していった。呼応するように、彼女は腰のストロークを大きくし始めた。

彼女が体を近づけるとき、どわっと圧倒的な何かが僕を覆いつくしていくような感覚があり、呑み込まれてしまたいと思ってしまう自分がいる。自分でない何かが浸食してきて表面を覆い、融着して、ひとつになると言ったらいいだろうか。搾り取られるという一般的なイメージとは違って、彼女が僕に重なると触れ合ったそのポイントが熱くなって、彼女のエネルギーがペニスを通じて体内に入ってくる。彼女に何かを抜き取られるのではなく、彼女から流れ込み、しみ込んで何かを与えられているような気分にさせられる。こんな感覚は初めてだった。

反対に、彼女の腰が離れペニスの根元が冷たい外気に触れると、僕と彼女の間に何か空疎な筒が出現したような感覚に陥いる。陰茎の先端は彼女の一部となって自分ではない何かに変質し始めているのに、自分だけはそこから切り離されてしまったような、猛烈な喪失感に襲われるのだ。

だから彼女が腰を引きすぎて外れてしまった時には、心にぽっかりと穴が開いたような気分になって、どうしたらよいかわからず落ち着かなかった。それを見透かした彼女は、肉棒を握るとわざと外で待機させ、勿体ぶってから熱々のショーツの所へ戻すことで、ペニスが帰るべきハウスはどこなのか示してみせた。所在なく胸が騒いでどうしようもなくなったら、奥へ戻って融合すれば心の穴を埋め戻せるのよ、と教育しているようだった。ナイーブな僕は、彼女の元に戻りたくなる引力に説明を得たような気がして、抗うことをやめて彼女の”救済行為”を心から受け入れるようになった。

彼女に触れたことで、僕の中の何かが変わってしまっていた。犯されているという一方的で受け身な意識は消え、ただ彼女の核心に近づいて、ひとつになりたいと願うようになっていた。そして、なぜ僕なのか、何をしてほしいと望んでいるのか、その情熱に迫りたいという気持ちが強くなっていった。
13
投稿者:雄一 ◆b4KLsfQ23A   tokyu-lines Mail
2021/04/13 02:08:41    (VVDYsVDp)
12コ目です。

彼女は時々止まって、下の唇と両脚でペニスを挟んで、大きさを確認するように愛おしむ。僕はそんなときペニスをぴくっと動かして、彼女に支配された狭い空間で少しだけ自分を暴れさせてみた。一方的な愛撫に対して、ペニスを脈動させてちょっとだけ反抗したのだ。すると、彼女は太ももをさらに閉じてこれに答えた。僕たちはこの小さな動きの応酬を繰り返しながら下半身で会話をした。彼女は目と腰で、僕のすべてをどろどろにして飲み込んであげると言い、僕は彼女に、まだ攻め返す力ががありますよ、と返す。

「ふふ」「すっごく、いいよ」

何度目かのやりとりで、彼女は急におかしくなったのか、緊張した顔を崩して笑みをこぼした。そして僕の顔をじっと見るといらずらっぽい顔のまま、耳元で何か言った。頭がすれ違い、体が覆いかぶさって、彼女の胸が僕に触れる。あるいは頬のあたりに短いキスをした、ような気がした 。

上半身、特に顔の動きは危険だった。なぜそんな人目につきそうなリスクをとってまで…と思う間もなく、僕の心は完全に堕ちた。突然の好意の表明に、理性はすべて吹き飛んだ。この瞬間、僕のペニスは彼女だけのもので、この器官はいま、彼女をもてなすためだけに存在を許されている。犯されていたのは自分なのに、彼女を気持ちよくさせてあげたくてたまらなかった。初めて、僕から大きく腰を動かしてみた。

彼女は薄く瞳を閉じて快楽に浸り、ときおり眼を開いて僕を見ると、後ろに回した手で僕を撫でた。自分に快感をもたらすモノを慈しむようでもあり、目の前の男子をついに陥落させたことに満足しているようでもあった。だらしない表情と落ち着かない腰回りをしゃんとさせるために背筋だけが不自然に伸びていて、なんというか、本当にちぐはぐで、色気がある。きっと上品であろう彼女本来の雰囲気をここまで貶めている彼女のエロスに、僕はすっかり呑み込まれていった。

14
投稿者:(無名)
2021/04/13 04:25:42    (CgZgRSOf)
更に続きを!
15
投稿者:雄一 ◆b4KLsfQ23A   tokyu-lines Mail
2021/04/18 04:42:03    (Fj22ZqIg)


そこからは延長戦のようなもので、彼女が想いのままに股間を愛でるのに対し、僕は体を張って彼女の体重を支え、彼女が集中できるよう周囲の状況を監視した。幸い、他の乗客がこちらに意識を向けることはなく、車端部の袋小路は二人だけの世界となった。線路から絶え間なく提供される騒々しいノイズは、僕たちをキャビンから遮る通奏低音となってかえって心地よく、レールのつなぎ目で生じる振動は、ともすれば固着しそうな僕たちの連結部に適度な上下動の刺激をもたらす。

周囲に悟られないこと、できる限り動かないことを暗黙のうちに是としていた僕たちは、ただ静かに向かい合って微動だにせず、遠く窓の外を見つめては何物にも無関心で無機質な通勤客の風を装いながら、しかしその水面下では腰をぴたりと密着させて、互いの異物を融け合わせて同化する作業に没頭した。時々大きく呼吸をして血流を巡らせると、ペニスの息づかいを感じた膣口はうねうねと起伏を埋めるように動いて、確実に僕の形を捉えてくる。下の唇がそんなにも雄弁な時でさえ、平静を装った表情は一切崩れることがないのだから、大人(の女性)って怖い。

窓の外の視界が開け、列車が新都心のエリアに差し掛かかると、もう次の駅は近い。ラストスパートなのか、彼女の意識は次第に、内壁のもっと内側、膣の奥の方へと向かっているようだった。時折足を広げたり腰浮かせたりして、ペニスの先端をひだの内側に巻き込もうと模索しており、彼女が縫い目を貫きたいのが、ありありとわかる。突き立てる、と言うには当たり方が浅く、門前払いされて勢いの余ったそれはひだをえぐるようにして入口の前を右往左往する。この体勢では挿入が叶わない事は童貞でもなんとなく分かるし、そんな事は彼女も承知しているはずなのに、自分の望むものを刷り込むように、彼女が執拗にその動きを繰り返すので、否が応でも割れ目の奥の世界を連想させられてしまう。

縫い目の湿度は十分に高く、奥に続く道に障害がないことは疑いがない。僕のペニスはと言えば、特段立派なものではなかったが、あえて例えるなら、先端に向かうにつれて細くなっていく、根本の太いアスパラガスのような容貌をしていて、過度な装飾がない代わりに先端部は小回りが利くはずだ。いざ送り込めば…というか、なんというか、ほんの角度さえ合えば、彼女にするっと侵入できそうな錯覚を抱かせる。一瞬、自分の肉棒が彼女のぬかるんだ襞を道なりに滑って”もっと熱いところ”に到達している姿が脳裏をよぎる。想像の中の彼女は、待ちわびたものを受け入れて苦悶の表情を浮かべている。

きっと彼女もいま、そう遠くない光景を想像して希求しているのかと思うと、性的な承認欲求は最高潮に高まった。下半身から伝わる感覚、頭の中にあるまだ見ぬ女の肉感、想像を現実にしようとする彼女の所作と視線。現実と非現実が入り乱れてもっとも都合の良いストーリーを合成し、脳を痺れさせていく。情報の氾濫にもうこれ以上太刀打ちできるとは思えず、限界であることを首を振って、目で彼女に訴えかけた。
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投稿者:**** 2021/04/18 04:48:27(****)
投稿削除済み
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投稿者:雄一 ◆b4KLsfQ23A   tokyu-lines Mail
2021/04/21 18:25:01    (Ku6GqntY)


****

「待って」

彼女は体を離して血管の浮き出たペニスを掴むと、もう片方の手でショーツを粗雑に下げ、少し開いた脚の間に強引に持っていく。肉棒でひだの周りを掻き回し、これをセンターラインに強く押し付けると、先端にヌルっとした感触があって入り口が押し拡がり、亀頭の周りがこれまで体験したことのない何とも言えない温かさに包まれる。

本当にもう限界だ、と思うと同時に、恥ずかしながら、そこで初めて、自分が公共の場で精子をぶちまけそうになっている事態に気が付く。過度に緊張したまま彼女との営為を重ねてきた結果、いつの間にか生理的に折り返せない地点をとうに過ぎてしまっていて、もはや大なり小なりそれが飛び出してくるのは時間の問題だった。

精子とは、少なくともその時点の僕にとっては、不浄で恥ずかしくて忌避すべき存在であり、ひとたび体内から出てきたら人目を避けて真っ先に処理すべきものだった。オナニーの時も特にそれを観察したり吟味したり興味を向けることはなく、”出口”ですぐに紙に受け止め真っ先に捨てるのが常であった。だから、それが手や衣服につくなど、便を漏らすのと同じ位に恥ずかしいことだし、ましてや他人に掛かるなんて、絶対に避けなければならない。ハンカチに出すとかズボンの中で暴発させるとか…最低でも壁に向けるなどの対策をしなければ。そう思って、彼女の手をとり、股間部の陰茎から引き離した。

ところが、彼女はその手首をさらりと返して僕の手のひらを握ると、瞬く間にもう片方の手も捕まえて、僕を腕ごと自分の方へと引き寄せた。女性にもこんな力があるのかとちょっと驚くくらいの腕力を使って僕の両腕をロックし、腰と腰を強く突き合わせる。骨盤がぶつかる衝撃とともに、今日イチバンの圧力を乗せた陰茎が再び縫い目を貫き、彼女の顔が歪む。

ここまで彼女と肌を重ねる中で分かってきのは、性器が強くこすれあうこと自体、物理的に特別気持ち良いというわけではないと言うことだった。その代わり、彼女が僕を引き寄せるとき、あるいは陰部を僕に押し付けるとき、自分がオトコとして求められていることが強く意識され、激しく感情が揺さぶられる。彼女の期待に応えなければという刹那的な気持ちが湧き上がり、全身からオスの本能のようなものが呼び覚まされて、体ではなく、脳が痺れていく。それは、二人の境目にかかる圧力が大きければ大きいほど増幅されるので、つまり今、最高潮に達していた。

高リスクな行為ができる最初で最後のタイミングと見て、我慢していたものを爆発させるように、彼女が大きく腰を振り始める。僕の形を知り尽くした彼女の粘膜は、リニアな前後運動ではなく、よじれながら、艶めかしく、ゆっくりと動く。腰のあたりに手が回ってくると、彼女が僕を見て小さくうなずいた。「(出して)いいよ」。

僕はそこで果てる覚悟を決め、一度腰を後ろに引くと、大きな最後のストロークを彼女に供した。彼女の顔が、求めていたものが充足される喜びでいっぱいの表情に染まっていく。僕の腰は1,2度往来しただけだったが、興奮の高まりに、二人して声もなく絶叫する。そして、腰に回った彼女の腕がぎゅーっと僕をホールドした瞬間、僕の脳は点火された。

体中に電気が走り、膣の入り口めがけて精子が体の中を駆け抜けていく。反り上げたペニスが激しく脈を打ち、自慰では経験したことのないような量が溢れ出る。一世一代のチャンスを錯覚した脳は初手だけで飽き足らず、4回、5回と自身のコピーを送出するので、途中、刺激に耐え切れなくなった下半身がヒザからかくんと落ちる。僕をホールドした彼女の粘膜は、密着を解くことなく追従して、溢れ出る熱いものを受け止め続けた。

「(出ちゃったね)」

遅れてきた脈から最後の一滴が絞り出されたのを確認すると、ペニスを挟んだまま、彼女は薄く目を閉じた。余韻に浸っているようで、固さの残ったペニスを前後して愛でている。性器と性器がいよいよ摩擦なくこすれ、一帯が同じ温度を持った連続的な空間として二人から遊離していく。そこから彼女のビビッドな熱源を感じ取ることは、もはや不可能だったが、代わりに自分たちの体表よりもずっと熱いモノを纏ったお互いの生殖器が、股間の猥狭なスペースに同居して貼り付きあっている感覚がある。僕たちがこの数十分間で育んできた秘密の三角地帯は、あたたかな粘液に包まれ、気持ちよさと気持ち悪さが同居した奇妙な空間になっていた。

電車がブレーキをかけ始め、放心に身を任せるばかりだった僕も、現実に引き戻される。ツーっと熱いものが脚の間を流れる。ショーツから漏れた精子が太ももを伝っているに違いない。O駅はなぜかかなり手前から減速してゆっくりと徐行するので、到着まではまだ時間はある。とはいえ、衣類の中で溢れかえった粘液を処理するのにどれほど時間が必要なのか見当もつかない。

慌てて鞄からポケットティッシュを取り出し、ビニールの中の紙束を丸ごと掴んで、彼女の内股を拭く。彼女は無言で「ありがとう」と言ってそれを受け取り、ショーツと陰部の間の洪水地帯に差し込んだ。僕たちは、あくまで平静を装い、周囲を監視しながら、お互いに死角を作りあって順番に衣服を直していった。二人の間には不思議な信頼関係が出来上がっていた。
18
投稿者:雄一 ◆b4KLsfQ23A   tokyu-lines Mail
2021/04/22 12:52:16    (v68jOcCV)
⑮これで最後です


***

O駅のホームには遅延した列車を待つ大勢の人が見えた。多くの人が降り、また乗ってくるだろう。彼女は僕の袖を引いて降りるようにサインすると、平然とした装いで、電車を降りて行った。僕も別々の乗客として間隔を取って車両を後にし、数メートル先を行く彼女の後を追いかける。彼女は、人ごみをやり過ごすようなゆっくりとした速度で歩き、時々こちらを振り返って僕の姿を確認しながら、ホームを進んでいく。

彼女が出口へ続く階段を素通りすると、僕も、少し距離を取って電車に“乗る”人の流れに混ざり、ホームの先へ消えた彼女を目指す。僕たちが降りた地点とはほとんど逆側のホームの端まで来ると、人の密度もやっとまばらになってきた。自販機の影に佇む彼女がちらちらとこちらを見ている。拍子抜けする位スカスカな乗車率の後続列車が来てホームの人を飲み込んでいく。乗ることも降りることもしない僕たちだけがなんとなく不自然で、人の波が消えるのを待ってから、彼女に近づいた。

「ごめんね。びっくりした?」「すいません、出ちゃって」「ううん、いいの。すごかったよ、キミ」

すごかったのは彼女の方だ。あんな大胆なことをしておいてあっけらかんとした事を言うなと思う。僕のズボンはまだ余韻を残して突っ張ていたし、彼女の下着の中は大変なことになっていて、密閉空間なら匂いも気になるレベルのはずだった。近くには誰もいないのに、誰かに聞かれたら恥ずかしい気がして、僕たちは言葉少なく、行間を補い合いながら話をした。最初にお尻が当たった時に思ったこと、スカートのスリットのこと、性器が触れたあった時に感じたこと…

彼女の口調は終始にわたって丁寧だった。今しがた自分が犯して支配下に置いた男子を上から目線でなじる様なことはなく、起こった事の一つずつについて、恐る恐る確かめるように僕の気持ちを聞いた。それがまるで自然発生的で、すべて合意のものだったと、言い含めているようでもあった。

しかし、電車内での彼女は、間違いなく自己本位だった。自分を悦ばせるため、自分の求めている快感を手繰り寄せるため、女のカラダを使って、少しずつ僕を懐柔していった。彼女にとって僕は、僕の体は、そのペニスは、彼女のご機嫌を取るためだけに存在していた。そこに僕の意志が介入することはなく、すべての場面で彼女は先手を取って、僕の行動を教唆し、支配した。その意味で、僕は彼女のモノだった。

でも、この爽やかさはなんだろう。腕の立つ職人が用具のメンテナンスを怠らないように、彼女は僕を丁重にもてなしたとも言える。反抗的だった僕を手なずけ、磨き上げて、最高の状態に仕上げてから、使役した。その手際の鮮やかさによって、僕は彼女のモノになることに悦びを見出しすらした。

「こういうのした事ってあるの?」「ないです、ないです。初めてです」「そうだよね、やっぱり」

一瞬、痴漢行為の経験を聞かれたのかと思って焦って否定した。が、文脈を考えれば、女性の行為を受け入れた事があるのか聞いていたのだと思う。昨日まで、というかついさっきまで、セックスは、男がリードして攻め立てて快楽に至るものだという、世間の(?)考え方を、何の疑いもなく信じていた。でも、(セックスはしてないけど)彼女のそれはまったく異なっていて、彼女は自分の欲しいものを態度で表し、僕をそこへ誘い込んで、手込めにして、それを得た。

もし一般論が正しいのだとして、じゃあ世の男性はどうやって女性の性欲の深淵に触れているのだろう?世の女性はどうやって自分のしたいことを表明しているのだろう?童貞ながらに、男の欲望を解放するだけのセックスでは到達できない風景があるのは明らかだ、と彼女を見て思った。そして、もし、湧き上がる女性のエロスの核心に触れられるのなら、その瞬間自分がモノになるのも悪くないのかもな、などとも。(これがMってやつなのだろうか?)

「お姉さんは、よくしてるんですか、こういうの」「私は…私も初めてだよ、こんなの」


結果的に、僕たちの答え合わせは不発に終わった。彼女の答えは(そしてぼくの質問も)もごもごとして要領を得ず、それが計画的な犯行だったのか、突発的なアイデアと欲求の発露だったのか、分からなかった。もちろん、なぜ僕が気に入られたのか、も。ただ、ひとまず彼女が怖い世界の住人ではなさそうなことだけは、目を泳がせながら話す彼女の口ぶりでわかった。


「今日はありがとうね」

お礼の言葉をかけられて、自分が行為の客体だったのだな、と改めて思い知る。こちらこそ、と返すべきなのか迷って、自分の身に起きたことを思い返す。人倫にもとる行為は、いつから淫蕩な共犯関係に変わっていったのだろうか。そそのかされて受け入れたくせに、自分はそれが嫌だったのだろうか。素直になれたら楽になれるのに、まだ守るべきものがある気がして、僕は口をつぐんだ。


「それで…この後ちょっとだけ時間ある?」

彼女はまた、恐る恐る聞いてきた。僕に拒否権など、あるはずもなかった。
19
投稿者:**** 2021/04/28 01:35:16(****)
投稿削除済み
20
投稿者:(無名)
2021/04/29 00:08:30    (agXYU56S)
何コレ?
21
投稿者:雄一 ◆b4KLsfQ23A   tokyu-lines Mail
2021/05/01 01:24:54    (ZDaeRvb.)
分かりにくくて申し訳ないのですが、1個前の投稿でこの体験談は終わりです。

当時僕が書いて手元にそっと保存していた文章を下敷きにして、この投稿のために上書きして書いています。
ので、10代の自分と今の自分の感情が混じってしまっているような所もあり、その辺りの稚拙さには目を瞑って頂けるとありがたいです。

書いているうちにどんどん文が長くなってしまい…全て読んで下さった方には少し長すぎたかも知れません。

自分の原体験を書き残しておきたいと思い筆を取ったのに、途中時間を取れない期間もあって時間がかかってしまいました。が、続きを楽しみにしている方のお陰で完走する事ができました。

○ィンガープレスの板が無くなってもうだいぶ経ちますが、こういった体験を書ける場所がなく、こちらに書かせて頂きました。

もしご感想があれば、いつでもご連絡下さい。
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