続きを書きます。
10数枚のエリカさんの裸の写真の後に、先輩は動画を再生しました。青いスカーフで縛られた手首の指を、Ｓ先輩と思われる歯が噛みついていました。音は再生されていませんが、噛みつかれている女性は明らかに嫌がって抵抗して、スカーフを解こうと必死になっています。
先週の送別会でエリカさんの胸元に揺れていた、青いスカーフ…
僕は、エリカさんが今週になって、薬指に包帯をしていたのを思い出しました。
「指輪を試した時、ちょっとキツくて擦り切れちゃったの」と言ってもいたけど…
やがて、ベッドの上に置かれた携帯の先で、見覚えのあるブラウスが激しく上下に揺れはじめました。一段と激しく小刻みになった直後に、画面が激しく動いて、涙で泣き腫らしたエリカさんの顔が現れ、乱れた黒髪に先輩の白い体液が飛び散りました。

僕は週末までを、呆然として過ごしました。
うちの課は仲が良かったので、課長以下6人全員が日曜日の結婚式に呼ばれていましたが、僕はもう出席するのもやめようかと思いました。
でも、最後にもう一度エリカさんに会いたい気持ちに勝てませんでした。
披露宴でのエリカさんは、白いウェディングドレスが本当に綺麗で上品で、それが動画のエリカさんに重なって、艶めかしく思えるのをどうしようもありませんでした。
キャンドルサービスで僕たちのテーブルに来た時、ちょうど僕の席の隣に立って手を伸ばすエリカさんを、僕は間近から見上げる形になったけど、美しくまとめ上げてティアラを載せた髪の毛に、Ｓ先輩の白い体液がイメージされて、密かに股間を膨らませていました。

エリカさんに会ったのは、その日が最後です。
次の年に僕は転勤となり、Ｓ先輩とももう音信不通です。会いたくもありません。
転勤先で僕は１つ歳上の彼女と出会い、3年間の交際を経て結婚する事になりました。
でも今になって、エリカさんの事が思い出されて仕方ありません。
結婚に至るまでには色んな事があるのでしょうが、エリカさんに起こった事は特殊な出来事だったのか、それともあんな目に遭う女性は結構いるのでしょうか。
エリカさんがどういう経緯でＳ先輩とあんな事になったのか、今ではすごく気になります。
結婚の話が具体的に進んでから、僕の彼女も頻繁に友人と会うようになりました。どうな友人なのか、僕は気になってつい聞き出そうとしてしまいます。
「トモ君、疑り過ぎ！ こんな嫉妬深い人だと思わなかったわ」
と、彼女も少し引き気味です。
エリカさんの話を彼女にする訳にもいかず、ひとり妄想ばかりふくらませて、悶々とする日々です。