俺は何故兄があのような行動に出たのかを、警察の人に聞きましたが、捜査にかかわることと、詳しくは教えてくれませんでした。
その部屋はしばらくそのままでした。
一ヶ月ほどして、〇〇さんの親類の方と名乗る男性が訪ねてきました。
〇〇さんが、俺に迷惑かけたから、お詫びに行って欲しいとお願いされたようです。
〇〇さんと妹は、その親類宅に身を寄せていることを聞きました。
その親類の方も、何故兄があのようなことをしたのか、詳しくは言いませんでしたが、少しは話てくれました。
女二人に男一人の母子家庭、いろんなことを我慢していたようだ、それが狭いアパートの部屋では、抑圧されたものがあったようだ、そう話てくれました。
言い忘れましたが、兄は当時高校生、妹は中学生でした。
そして、俺が知らないうちに、〇〇さんの部屋は、引き払われてました。
未成年だからでしょうか、新聞にも載ることはありませんでした。
〇〇さんと妹、兄が今どうしてるかは、もちろん知りません。
兄は朝とか時々俺とすれ違ったりすると。
『おはっす』
そう言ってペコリとお辞儀する子でした。
妹は迎えにきた友達と、キャーキャー言いながら学校に行く、明るい子でした。
お母さんも明るい美人さんでした。