社長秘書は、社長の行動は公私共に把握できる立場にあります。社長さんが秘書の私を同行して出張する機会がありましたが、このとき、ホテルの予約をわざと間違えて、1部屋だけの予約にしておきました。
最初は、「君がベッドで寝なさい。僕はソファーでいいから」といっていた社長さんですが、なかなか寝付けないようでした。
夜中に「社長さん、眠れないんですか。私のせいで申し訳ありません。お願いですから、ここで一緒に寝てください」と促すと、さすがにビジネスホテルのソファーの寝心地は悪いようで、「そうか、それじゃあ、お言葉に甘えるとするか」とベッドに入ってこられました。
こうなったら、こっちのものです。社長さんの背中にそっと身体を摺り寄せると、息遣いがだんだん荒くなってくるのが分かりました。社長さんの手にそっと触れてみると最初はぴくぴく動いていた指が、やがて私の手をそっと包んできて、そのあとどちらからとも無く、ベッドの中でひとつになりました。
帰りに、「社長さん、今日のことは、誰にも秘密。ね。」と駄目押ししておきました。社長さんは何も言わずに1、2度頷いて、これに答えました。これで私たちの関係は安泰です。