高2の時の話しです。
当時実家では、田舎ですが料亭をしてまして
毎週のように宴会がありました。
田舎とはいえ、宴会では
「酌婦」今でいう「コンパニオン」の女性が数名入り
宴会に華を添えていました。
酌婦さんたちは、宴会が終わると
自宅のリビングでお茶を飲んで酔いを醒まし
送迎のワゴン車に乗って帰るのが常でした。
そんな日常で育った私には、
極々当たり前の光景だったんです。
酌婦さんたちの年齢は様々で、40代~20代
着物の酌婦グループがいたり、
ドレスの酌婦グループがいたりと。
子供の頃は、酌婦さんたちが苦手で
何故かというと、宴会後にリビングでお茶してる時
酌婦さんたちの客への悪口がハンパない。
やれ触ってきただの、金で誘われたのと…
今思えば当然ですよね。客に酒を注いで注がれて…
酔っ払って。
好きでもないオッサンたちに
カラダを触られたりするんですから。
でも当時の自分には、
香水の香りをプンプンさせて
厚めの化粧した女性たちは…
なんか「汚い」印象を持ってました。
ある冬の日、小規模の宴会がありました。
その日は大雪。
宴会後も、3人の酌婦さんたちは
なかなか帰りません。
今思えば、雪で送迎の車が来なかったんでしょう。
1階にはカウンターや座敷があり
父と母と従業員は、接客してます。
誰も居なくなった2階の宴会場の後片付けが
俺の仕事になってました…
いつもなら、酌婦が帰ってから後片付けに入るのですが
なかなか帰らないので、
リビングを通らずに、こっそり2階へ上がり
片付けを始めたんです。
すると、後ろから「えっ!誰っ…?」と声が。
振り向くと1人の酌婦さんが…
その酌婦にしてみれば、
見たこともない若者が、1人で宴会場にいることに
ビックリしたようです。
思わず俺が、「あっ…息子です。どうも」
その酌婦は「あっそうなんだぁ」と。
酌婦は、残りもののツマミと酒を取りに来たようでした。
納得いったようで「お手伝いしてんのねぇ~」と言い
余ったビールを2本持ってリビングへ戻って行きました。
ほどなくして、酌婦3人が宴会場に上がってきたんです。
ん?なんだ?と思っていると…
3人が「あの子ねぇ~…」と。
「高校生?」と聞いてくるので
「あ、高2です…」と応えました。
その3人の酌婦はいつもの人たちよりも若く
全員20代っぽかった。
当時の俺はというと、
身長も高かったし、部活してたので体格もよく
顔もジャニーズ系とか言われて
結構調子にノッてた頃でした。
(今では面影もないですが・・・)
3人の酌婦は、いろいろと話し掛けてくる。
正直ウザかった…(今ならウキウキなんだけど)
「彼女いんの~?」とか言われて
俺はそっけなく「いませんよ。」黙々と片付けてた。
「じゃ~童貞くんかなぁ~?」と。
俺は聞こえなかったフリして無視してました。
(酔っ払いは面倒臭ぇ~と思いながら…)
そんな態度が気に障ったのか?
1人が、「ねぇ~童貞くん、酔っ払いは嫌いなの~?」
と、俺をカラカイ始めました。
他の2人は「女将さん(母)に怒られるよ~?」
と言うが、笑って楽しんでる。
すると、俺をカラかってた女が
俺の手を引いて、「ちょっとコッチおいで~」と
宴会場の隣の個室、6畳ほどの座敷に
引っ張っていかれました。