小学生の時に台風で水害にあい一階はほぼ全滅で二台あった車の軽自動車も水没してしまいました。
月末には夏休みと言うのに大変な事になってしまいました。
二階の私の部屋は無事でしたが、風上の屋根は一部が剥がれて少し雨漏りもしてました。
被害を受けたお宅も多数あり、仮の住まいもすぐには見つかる訳も無かったけど、お父さんの親友のお宅でお世話になる事に決まりました。
実際にそのお宅に伺うと広い敷地の中で、大きな家とその少し離れた場所に平屋の家があり、私達家族は離れ、と呼ばれる方でお世話になる事に成りました。
私達家族三人が仮に住むには十分でした。
自宅の一階の家電は使い物にならなくて、使える家電や衣類や必要な物を離れに運び込み、とりあえずの住まいはお陰様で出来ました。
両親の知人や職場の方々に手伝って頂き、不用品の処分や床下の洗い出しなども終わり、屋根はブルーシートで覆われて、とりあえず雨漏りの心配は無くなりました。
すぐにでも自宅の修繕をお願いしたいところでしたが、周囲のお宅も多数被災していて完全に直るにはまだまだ日にちが必要でした。
仮の住まいは少し高台にあり、通学も今までより時間は掛かりましたが、住宅が密集して交通量の多い道路を通学するよりは快適でした。
お父さんの親友の田中さん家族はお爺ちゃんとお婆ちゃん、田中さんご夫婦に大学生の長男さんと中学生の次男さんと私と同じ小学生の三男さんの七人の家族構成でした。
私の家族は両親に小学生で私の三人の家族構成でした。
中学生の隆さんと小学生の実くんとはすぐに打ち解け仲良く成りました。
少し歳の離れた豊さん大学生で週末には帰ってきて、普段はアパートで一人暮らしをしていました。
ひとりっ子だった私は隆さんと実くんと仲良くなり、自宅で生活してた時より楽しかったです。
隆さんと実くんの部屋は別々でしたが、だいたい隆さんの部屋で三人で遊んだり宿題をしたりしてました。
私達家族がお世話になってる離れにはトイレは有りましたがお風呂がなくて、母屋と呼ばれる大きな家のお風呂を使わせて頂いてました。
突然三人もお世話になる事になり、田中さん家族に迷惑を掛けない様にしてました。
でも、田中のおじさんもおばさんも楽しい方で冗談を言って笑わせてくれたり、美味しいおやつも手作りでご馳走してくれる優しい方で「真知子ちゃん、遠慮しないでバクバク食べてよ」と言ってくれて「でも、太っちゃってもおばさんのせいじゃないからね!」と笑い飛ばす方でした。
夏休みに入る頃には実くんと一緒にお風呂に入ったり、寂しがりやの実くんと一緒に寝たりもしてました。
だから両親が共働きだったので、私は離れで暮らすより母屋に居る時間の方が多かったと思います。