悪夢の始まりは両親の不仲からでした。
フィリピンパブで働くママとパパが恋に落ちて結婚。
パパはトラックドライバー、ママは結婚してからもパブの仕事は続けてた。
東北で育ち寒さには強かった。
夫婦喧嘩が始まると妹と二人でパパとママの間に割って入っても収まらない、逆に止めに入った私達に怒鳴られた。
妹と二人で部屋に戻り収まるのを待った。
一時間もすればだいたいは収まった。
でも、次の朝は何事もなかったかの様にラブラブな二人。
心配した私達がバカだった。
でも、決定的な事件が起きた。
ママとパブのお客さんとの浮気の噂が流れた。
それを問い詰めるパパ、「仲良しの友達」と言い張るママ。
パパがスマホをママに見せた。
「このキスをしてる男は誰だ」と問い詰めると「だから仲良しのお客さんよ」と言い張るママ。
このあとはママの母国語で話してたから所々しか意味がわからなかった。
何かが壊れる音がした。
そのあとは静けさが戻った。
いつもの様に明日の朝には二人ともケロッとして仲直りしてると思って眠りについた。
リビングに行くとママの姿がなかった。
パパの姿もなかった。
テーブルの上には朝ごはんの準備がされてて、先に仕事に行くね、とパパからのメモ書きあった。
ママの姿はなくどこにも無かった。
その夜に「ママは暫く友達の家で泊まるって」とパパから聞かされた。
ママは何度かそんな事が何回かあったから、またか?位にしか思ってなかった。
でも1週間過ぎてもママは帰ってこなかった。
何日かして「パパとママは別居する事になったからと」とそんな状況になった経緯を聞かされました。
小学生だった私達は不安しかなかった。
ある日の夜に、パパに気付かれない様にママが働いてるパブに行ってみましたが、店のマスターがドアーから中を覗いた私に気付き外に出てきてくれた。
「樹里こんな時間にどうしたの」と聞いてくれて、「ママに会いに来たの」と言うと「えっ、ママにお店辞めちゃったよ、知らなかったの」て聞かされてショックだった。
居場所を聞いてもマスターに知らないらしくて諦めて帰りました。
パパに気付かれない様にベットに横になれた。
二段ベッドの上の妹はすでに寝ちゃったみたいでした。
それからパパと私と妹の三人暮らしが始まりました。
すごく寂しかったけど小五の私はできるだけ家事を手伝い小二の妹のお世話もしました。
パパも仕事からの帰る時間を早めて貰ったらしくて、パパと二人で晩ごはんを作るのが私の日課になってた。
お酒が好きなパパは夜お酒を飲む回数が多くなっていきました。
学校が休みでパパも久し振りに会社が休みの日の出来事でした。
パパ朝からお酒を飲んでました。
パパが妹の杏里に買い物のお願いをしたみたいで、「行ってきます」と出掛けてしまい、パパと二人になりました。
特に変わった様子は無くて、いつもの家の中の雰囲気でした。