その仕事の求人広告を見たのが、ちょうど今から半年前。新聞の折り込みチラシの中に、「簡単!軽作業 機械部品の組み立て 未経験ok 主婦、学生の方歓迎!」という感じの募集広告を見たのです。
主婦(30)である私は、子供が保育園に通いだし、午前中から午後にかけて自由な時間もできたので、少しでも家計の足しになればと思い、家から自転車で25分の場所にある職場へ応募したのです。
応募面接は工場だからなのか、それとも男性の割合が多いからなのか、ある程度予想はしていましたが、掃除が行き届いておらず、薄汚れた事務所の中にで行われ、工場長から即決で採用の結果をもらいました。時給1150円という、主婦が1日に5時間程度働くには申し分のない給与設定と、即決という返事には正直うれしかったです。
それから初日の勤務の時、私は「これぞ工場!」っていう感じの灰色の作業着上下を手渡され、それから工場内の見学、担当する場所の案内、そして入社書類の提出等で最初の1日は終わりました。聞くところによれば、業務用通信機器の中の部品の部品を組み立てているとの事でした。
ただ、不穏だったのがその場で働いている人の雰囲気。これは異様でした。まったく笑顔がない職場というか、ただ誰もが「金の為に働いているだけで余計な人間関係など築きたくもない」というそんな表情というか、初対面こそ大事。と考えて自分から挨拶をしてっている私が、何か場違いなようなそんな感じがあったのです。
結局、誰と友達になる事もなく、ひたすら黙々と1日5時間の間、部品を組み立て、そして帰宅する。そんな感じの毎日が1か月くらい続きました。
それから少しづつ私の存在も工場の雰囲気に溶け込んできたのか、少しづつ話してくれる先輩同僚が現れ始め、、その頃からこの会社の実態が少しづつ見えてきたのです。
それは、「普通にセクハラあるよココ。気を付けてね」というアドバイスでした。私は「セクハラって、、本当?そんな事今どきやってたら、普通にその人、クビになるんじゃ?」と、あくまで2018年現在のコンプライアンス、ハラスメント等の観点から聞いてみました。
すると、「それが普通にあるんだって。だから気を付けてね」としか言われませんでした。
といっても、セクハラをしてくる人がいてもそれは限られてるだろうし、そもそも私が必ずそのターゲットになると決まった訳でもありません。(まぁ、、古そうな体質をもった会社だからなぁ・・・そんな人もいるか・・)とくらいにしか考えていませんでした。
それからまた2か月くらい経過しました。それから私は組み立てた部品の梱包作業の担当にも配属される事となったのです。それまでは部品の部品を組み立ていた細かな作業だったのですが、今度は完成した部品を発泡スチロールに詰め、大きな箱もあれば、あるいは小さな箱に入れて梱包するという、割と簡単な作業でした。
ただ、その場所は20畳くらいの広い部屋で、作業台が数台並んでおり、折りたたまれた状態の新品の小箱と、ラックに積まれた部品が並んでるだけ空間でした。今まではなんだかんだと働く人たちの姿が見えていたライン作業に比べると少し殺風景な感じを受けたのです。
それから私はその梱包部署の責任者であるY主任(49)を筆頭に、その部署で働く数名の同僚とともに、交代制で梱包作業をする事になったのです。月・水・金は組み立て作業 火・木は梱包作業という感じです。
このY主任こそが、この会社で噂されていたセクハラ上司でした。そして私はこれからY主任と同じチームで仕事をする事になり、なぜY主任はセクハラが咎められないのか。なぜ従業員はセクハラされても仕事を続けるのか。その謎を私が実際にセクハラを体験する事によって知る事となったのです。
つづきたいですが、如何ですか?