親のコネで入社した会社でOLをしてる24歳の絵理です。
この会社の下請け企業のひとつが、私の父親が経営する会社でして、その関係で入社しました。
今年の春のことでした。
突然専務室に呼ばれ、何だろうと思いながら、部屋に入ると、ビックリする話を聞かされました。
父がここ数年力を入れていた設備投資が裏目に出て、経営が悪化しており、月末に不渡りを出してしまいそうな状況で、専務に援助のお願いがあったというのです。
元々、中学高校の同級生でもある間柄で、父は専務にすがったんだと思います。
私自身は父の会社がそんな状態なんてまったく知らず、ただただショックでした。
専務は「下請けの中では技術はピカイチだし、なにより友人だから、何とかしてやりたい」…そんな話でした。
ただオーナー社長である専務の父親が、援助を渋っており、そるにこの会社自体も急激に業績が下降している最中でした。
その日の夜、自宅で父を問いただすと、悲しみと落胆の色を浮かべながら、専務の話を認めました。
「おまえには内緒にしといてくれって頼んだんだけどな」と言って、浮かべた笑顔には疲れがにじんでいました…。