良く似た人っているもんですね…。勿論、まったくの別人なんです。
会社の同僚と立ち寄ったバー。カウンター越しにその人は立っていました何処かで見た顔だなぁ…、知り合いだったかなぁ…と考えているうち、私の記憶に残っていた一人の男が蘇ってきたんです。
もう15年も前。高1った私は、その数日後に同級生とプールに行く約束があり、新しく水着を買いに一人でショッピングに出かけていました。
気に入った水着を買った後、ぶらぶらと歩いていた時でした。
男の人が声をかけてきました。ありきたりの言葉…芸能界とかに興味はないですか?…でした。
でも、その時の私はその言葉にはにかんでしまいました。初心な心、そして自分が可愛い、アイドルになれるかもという自意識を擽られたのかもしれません。
きっと男は脈があると思ったのでしょう。途切れることなく言葉を重ねてきました。
興味なくはないんですね?良かったら話聞いてもらっても良いかな?知ってて損はないと思うけど…。
事務所がすぐ近くなんですよ…そう言われた時にはもう肩を押されていました。男は165㎝の私をより遥か上から見下ろすように背の高い人でした。
1階が不動産屋だったと思います。男はその横にあるガラスの扉を開け、私を先に中に入れました。
4階と言われ、古い雑居ビルの階段を上がりました。男は私のすぐ後、きっと私を逃がさないようにとかんがえてたんだと思います。
階段を上がったすぐ横。すりガラスの扉にI企画と札がかかっていました。男は扉を開けました。
中は電気が消えていましたが、エアコンは効いていました。
人の気配がしませんでした。私、その時に嫌な予感が凄くしたんです。凄く怖くなり、足が動かなくなりました。
ここまで来たんだから…。そんなに時間とらないから…。私は躊躇うも拒むことは出来ず、中に入りました。
入るとすぐ衝立があり、奥までは見通せませんでした。男はその奥にあったソファに座るよう私を促しました。
名前や住所、連絡先を渡された用紙に書きました。世間知らずの私でした…。
男は本を持ってきました。見たことのない女の子の写真集でした。
中学生かもしれない女の子がカップも入っていないような超ビキニで…。
こういうのがきっかけで有名になっていくんです…。男はそれをパラパラと捲りながら私に説明しました。
男は私が水着、ビキニを選んでるのを見ていたらしいです。
君なら絶対人気が出るよ…。2度、3度と男は言いました。