先日の土曜日、忘年会も二次会が終わる頃には深夜の0時を回っていた。
自宅最寄りでもある主要駅付近で飲んだ時はいつも、酔いざましがてら15分程を歩いて帰る。
いつもの通り馴れた帰り道の途中に、何か転がっている…男の子だ。
二十歳ぐらいだろうか?閉店している店の入口の階段を枕に丸まって、なんか唸ってる。
『こんな寒いところで』『酔ってるだけかな?具合悪いのかな?』『財布とか取られちゃうんじゃないか』と気にかかり、一度は通り過ぎかけた彼の元へ寄り、声をかけた。
「ねぇ、大丈夫?こんなトコで寝たら凍死するよー!」
腕を軽く叩いたり肩を揺さぶると、目を開けてこちらを向いた。
酒臭いし、酔っ払いだとすぐに思った。
「大丈夫?タクシー呼ぼうか?」と聞くと「近いから大丈夫ぅ~」と答える。
どこかと聞くと本当にすぐ近くだった。
私の帰り道からもそんなには外れないので「送るから、こんな所で寝ないでお家に帰って寝なさい!」と言うと「うん、ありがとー。おねーさん、優しいねっ♪」と言って、フラフラと立ち上がった。
私はバッグを片手にもう一方の手で彼の腕を支えた。
「ヨロヨロしないで、ちゃんと歩く!」弟よりずっと若い彼を叱りながら歩く。
「はーい。でもおねーさん、怒った顔もかーわーいーいー♪」
『三十代半ばの独身中年女を捕まえて何を言う…』飽きれながらも保護者のような気持ちで歩いていた。
「あ、うちそこ。ちょっと待って!」
そう言って携帯を取り出すと、どこかに電話をし始めた。
「あ、かーちゃん?俺。酔っぱらっておねーさんに助けてもらったから、コーヒーいれて待っててー」と言うと、相手の返事も待たずに電話を切った。
「ちょ、ちょっと!」
「いいから、いいから、上がってって♪」
そんな知らない男の、しかもお母さんとか…それにこんな時間に…
「無理!無理!無理!無理!帰るよ!」
「やだ!やだ!やだ!やだー!だってもう、かーちゃんコーヒーいれて待ってるよー」
「そんな、こんな時間に家に上がるとか気まずいよ」
「うち夜型だし、コーヒー飲んで温まったら帰ればいいじゃん♪」
そんな押し問答を繰り返し、結局は仕方なしにコーヒー1杯だけって約束でお邪魔することになってしまった。
玄関前に着くと彼はチャイムを鳴らし、私の手元からバッグを取り上げ、鍵のかかっていない扉を開け、「入って」と言うと同時に私の背中をトンと押した。
私はつんのめりがちに玄関へ入る。
やたら転がってるスニーカーを踏みつけた。
続いて彼が入り、鍵を二重にかけた。
格子硝子扉の向こうの部屋は薄暗い感じ…
お母さんが出てくる気配もない…
「ねぇ、お母さん寝てるんじゃないの?やっぱり帰るよ」私が小声で言うと「いいから上がって上がって」と私を押す。
仕方なくブーツを脱ぎ「お邪魔します」と小声で言いながら上がる。
彼に押し進められながら格子硝子扉の前に来ると、薄暗い部屋でTVらしき明かりが見える。
気まずさ満載の私をよそに、彼は私の後ろから手を回し、ノブに手をかけ、扉を開けた。
そこにいたのはお母さんなんかじゃなく…
男が4人、私に笑顔を向けた。
『え?なに?どういうこと!?』
『…やられた!』
思った以上に長文になってしまってごめんなさい(汗)
駄文ですが、続きはレスに書きます。