暗い洞窟のような場所なのか?・・・・・私は眼を醒ました。
なにかカビのような匂いが鼻を突いた。なんの匂い? 湿った土のような
鉄のような・・・今まで経験した事が無いような匂い・・
周囲は真っ暗で何も見えなかった。ただ自分の周りに近いところには
何も物が置いていないような感じだった。広い空間? そんな感じだった。
少しづつ記憶がよみがえってきた。私は仕事を終えショッピングストアで
今日の夕飯の食材を買い揃えていたんだ。久しぶりの家でのデートだ。
彼と会うのも2週間ぶりだ。早く会いたかった。ゆっくりリビングで
くつろいでから 二人でシャワーを浴びて そのあとセックスの予定だった。
うきうきしながら買い物を終えて私のマーチに戻った。キーはいらない。
イグニッションを回そうとした瞬間、ルームミラーに何か写った。
写ったというより よぎった感じだった。
「何?誰かいるの?・・・」思う間もなく 顔全体がなにか布に覆われ
薬剤のようなシンナーのような匂いが鼻に吸い込まれてきた。
私はゆっくりと意識を失っていった。ゆっくりと暗く深い淵へ落ちていくよう
な感覚だった。手も足も動かない。声も出なかった。
「助けて・・・誰か・・・私死んじゃう・・・助けて・・タスケテ。。」
やっと目が慣れてきた。洞窟と思われていた部屋は 天井の高い部屋だった。
はっきりとは見えなかったが どうや壁はコンクリートのうちっぱなしのよう
だった。よくあるおしゃれなパブのような壁で ところどころに水抜きのよう
な穴があいていた。天井からは 何に使うのかわからないようなチェーンが降
りてきていて工場のようだった。カビのような鉄のような匂いはまだしてい
た。目が慣れてくると 部屋の端が見えてきた。ベッドのような物、台が置い
てある。その上に人らしき白いものが横たわっていた。少し茶色のウエーブの
かかった髪・・・女の人だ。良かった。人がいる・・・・
「誰かっ!!いるんでしょ?大丈夫??」 私はベッドに駆け寄った。
そしてベッドの上にある「物」を見た瞬間・・・身体は凍りついた。
それは確かに若い女性だった・・・いや、正確に言えば
かって「女性だった物」だ。仰向けに横たわったそれは カッっと目を
見開き宙をにらんでいた。口と鼻からはたくさんの流血があり
のど元はばっさりと切り裂かれていた。それでも私はそれに声を掛けた。
「大丈夫?ねぇ・・・ねぇ・・・起きてよ・・ねぇ・・・」
見開いた目の角膜は 乾いていて白く濁っていた。全裸にされていた彼女は
160センチくらいのスタイルの良い 均整のとれた人だった。
もう目が慣れて来ていて 細かいところまで確認できた。お腹はおへその上か
ら陰毛まで 縦にばっさりと切り裂かれていて ピンクいろの肉が露出してい
た。乳房は片方が切り取られいて 消失していた。足は大きく開かれていて
その股間は・・・赤く黒くぽっかりと穴が空いている。空洞なのだ。その女性
は性器そのものさえも 切り取られていた。 私は我に返った・・・
「ぎゃぁ