5年前の妻は38才だった。
どちらからともなく夜の活動もかなり減っていたことは確か。
お互いに仕事が休みだった平日のひと時のこと。
子ども達は学校へ行っていて2人きりの午前中。
妻が洗濯している時に一本の電話がきた。
面倒だなと思いつつも立ち上がって固定電話の子機を手にとった。
もしもしと言う間もなく受話器からAVの音声と思われるものかま耳に飛び込んできた。
悪戯電話と悟りすぐに切ったところに妻が通りかかり、誰?と聞かれたので悪戯電話だなと答えると、あ〜また?はぁはぁだけ言う人?と言われたので、いいやと答えると、ん?じゃ〜いやらしいことを言ってくる人?と言われたので、いや、AVの音声みたいのが…と言うと、そっちねと動揺もなくあっさりした返事をしつつ洗濯物を干しに行った。
戻ってきた妻に再度悪戯電話のことを聞くと、時々来るのよとあっさりと答えてから、すぐに切った?と聞かれたので、切ったよと答えると、そうじゃ〜またくるかもしれないから、そしたらその辺に置いてたらそのうちに向こうが切ると思うから。
そう言うと、再び洗濯物を持って干しに行った。
そのタイミングで電話が来た。AVの音声が聞こえている。
妻の言う通りに何も語らず聞き耳をたてていると、AVの音声の他に勢いよくシュシュシュッ!と擦る音がしばらく続いてからウッウッウッ!と呻き声がした。
数十秒後にかってに電話は切られた。
戻って来た妻は、また電話きたでしょと言っていたが俺は来てないと答えると、あら!と言いながら、あまりしつこくないからねと独り言のように呟いた。
この後妻に話しを聞いてみると、変態な悪戯電話は最近では1番多いのが、はぁはぁ言う人で、次に多いのは、色々やらしいことを言ってきて時々私にも言わせたがる人。
そしてAVを聴かせてくる人は今年は少なくなってたと答えた。
今年は?と反応すると、うん去年は私が平日のお休みの日には毎回に近かったと思うと口走る。
切っても切ってもしつこくかけてくる人は、やらしいことをいっぱい言ってくる人と言いだした。
しつこい人にはどうするの?放置?と聞くと電話線を抜くと言っていた。
平日家にいることがない俺が知らなかっただけだったが、妻からそんな話しをされることもなかったことに後から疑問が湧き上がっていった。