いよいよ国賓の方が明日いらっしゃる。私とお母様はお父様に連れられて大統領にお会いしたの。
控室で身に着けていた物を脱ぐようにって言われて、私は6年間ずっと着ていたスクールの制服からキャミソール、ブラジャー、そしてショーツとソッスクまで全部脱いだ。もちろんシューズも。冷たく固い大理石の床に裸足で立ったわ。全部脱いだらちょっと気持ちがブルーになった。何故って、もうこれで私は人間として服を着ることは無いから。ローストになるまではずっと裸なの。お母様の着ていた物は私もお父様も好きだった知的な雰囲気を漂わせる濃紺のスーツだったわ。お母様がお父様と出会った頃、外務省でこのスーツでお仕事してたって聞いた事ある。お母様だってこのスーツに未練があるはずなんだけど、そんな事全く感じさせずに毅然とした感じで脱いでいったわ。私とお母様が脱いだ衣類は係の方が畳んで大きなスーツケースに入れて部屋から持って行ったの。間違い無くご主人にお返ししますって言ってた。そうよね!お父様だってお母様と私がいなくなったら脱いだ服を見て私達を思い出してくれると思うわ。服だけじゃない。キャミソールの私の汗の匂いやお母様のショーツの大人の女性の香りとかもきっとお父様が私達を懐かしく思い出す記念品になるわ。
しばらくしてお父様が私達を迎えに来てくれた。最高のフォーマルを着て緊張してる。お父様を先にして長い通路を歩いたの。床には高級な絨毯がずっと敷かれていて、途中途中の調度品は私が見ても最高級のだって分かった。途中に何人も警備関係や事務関係らしい人がいる。もちろん皆制服やお父様みたいなシックなスーツを着てるの。その中で私とお母様だけ丸裸。皆の私達を見る視線は軽蔑とか好色とかじゃなくて、ある人は事務的に、ある人は興味深いって感じで見てるように思えたわ。恥ずかしがる事無いって分ってるけど..やっぱりちょっと恥ずかしかった。
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