春は命は助かったが、肩から胸に掛けて、大きな切り傷の痕が残ってしまった。
太々は可哀想に思ったが、春本人は旦那様と太々を助けた印だとかえってその傷を大切に思っていた。
それから一年、羽振りの良かった黄首領も、ついに対立する匪族の連合から攻め立てられ、谷あいの小屋に追い詰められることになった。
子飼いの頼りになる子分は討死し、頼りにならない者達は逃げ去った。
谷あいの小路を抜けて逃げることは出来そうだが、直ぐに後を追われたら助かるまい。
自分達が逃げる間、2時間ほどの時間を稼いでくれる子分がいてくれたら...。
男装した太々が「旦那様、早く逃げ延びて再起を謀ってください。」と自分がここで時間を稼ぐのを引き受けた。
その時、部屋の隅から甲高い少女の声がした。
「太々は残っちゃだめ!私がいる!」
春はまだ付いてきていた。
ほんの一年程だけど、可愛がってもらった。
もう日本のお母さんの顔は忘れたけど、今は太々がお母さんだ!
そう言うと、止めるのも聞かず、首領、太々、残った数人の男の子分の前で、着ていた物を全て脱ぎ捨てた。
この一年、太々から可愛がってもらい、春の身体は急速に思春期の女の身体になっていった。
胸も膨らみ、腰のくびれも徐々に表れてきた。肌も一年前の青白く荒れた肌ではなく、少女らしいしっとりしたきめ細かさが感じられる。
それに、最近はほんの少しづつではあるが、首領に抱かれる時、お腹の奥底にジンッと暖かく心地よい刺激を感じ、恥ずかしいと思いながらも、ため息をついてしまうようにまでなっていた。
だからこそ、首領は春を手放すのを惜しんで、ここまで連れてきたのだ。
室内で焚いている炎を受けて、白い春の肌に印された焼き印、刺青、刀傷が浮き出すようだった。
「太々、旦那様と早く逃げて!みんなも早く!」
全裸で片手に大きなモーゼル拳銃を握ると、春は建物の屋根に登った。
取り囲む匪族達は驚いた。
本当に悪魔がいたんだ!
聞いた通りだ。まだ小さい小娘の身体なのに、乳に赤い花、下腹に淫らな呪いの呪文が浮き出ている。
皆、撃つのを一瞬躊躇った。
「そこにいるのは、王首領ではないですか!」
春は取り囲む匪族の中に、顔を知ってる首領を見つけた。
「王首領、貴方は義がある人だと聞いていた!我が主人黄首領と太々を逃がしてください。
代わりに悪魔に取りつかれた私の命をあげます。」
匪族も野次馬に着ていた近所の民衆も驚いた。
「黄首領はもうこの地を去ります。皆さんに復讐など絶対にしない!でも、皆さんが黄首領を追えば、私は身体に取りついている悪魔に頼み、ここにいる全員に呪いをかけます。」
迷信深い匪族達はどよめいた。
春は続けた。
「皆さんも黄首領を追わねばならない義理があるのは分かります。これから二時間、私を呪いを清めながら殺してください。それなら、私も成仏し皆さんに呪いはかけません。」
王首領がやっと口を開いた。
「お前の呪いを清めるとは、どうすればよいのだ?」
「二時間かけて、私の乳をえぐり、下腹の文字も皮ごと削ぎ取り、淫らな股間をけぐって子宮を抜き取ってください。そのあと、手足を切断し、腹を裂いて腸を巻き取って殺しなさい。良いですか、二時間は掛けてください。それより短い時間で死んでしまっては、私の皆さんに掛けた呪いは解けません!」
男達から、おーっ!と驚嘆の声が上がった。
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