普通ではないと分かったのは、すぐその後だった。
どちらのペアも体を寄せ合うというか、キスをしながら愛撫、それはすでにペッティングと言ってもいい前戯をし始めたのだ。互いの手は完全に水着の下に入っていて、よく分からないが楽しんでやっているようだった。
マスクを被った男女が乳繰り合う様子は奇妙ではあったが、会場は盛り上がりをみせる。そんな囃し立てる声の中で、黒いマスクを被った男がコーナーポストへと登った。日の丸を背にしていたことから日本人なのだろうか、席が近くて割れた腹筋までみることができたがそれだけではなかった。
後ろから近づいてきた女性パートナーが、後ろから手を伸ばしてきたかと思うとおもむろに男性の水着をずらしてあそこをむき出しにしたのだ。
意に介していないどころか、むしろ固くそそりった陰茎を自慢げに晒してみせる男は日本語でいろいろとまくしたてて見せていた
「短小男ども羨ましいか!」
「お前らのスケを泣いて謝るまでパコるのが楽しみだぜ!」
不思議だが早口でとにかく思いつく文句を日本語で話してて、ようやく黒色の二人が日本人であるというのが実感が湧いてきた。
一方の相手は、おそらくというか韓国人のアベックで同じように男が勃起させながらいろいろ喋っているようだった。内容は韓国語なのでわからなかったが、だいたい同じ内容だろう。
それから二人とも、コーナーから降りて水着を整えてはいたが、股間は明らかに固く膨らんでいるのが分かった。
会場は日本人は自分たちしかいないのは明らかで、「コリア!コリア!」というコールの中で黒チームと白チームは、女性は胸を、男性は股間を押し付けあってしばらく睨み合っていた。
そしてふたたびマイクを握って何かを喋る審判みたいな男が手をあげると、小気味いい鐘の音がスピーカーから流れて、わっと湧くような歓声と共に試合が始まったのだった。
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