照明がつけられました。ドールの目からも光は消え、目を開いた姿は、完全に生きた女性そのものです。
正面を見つめ、喋ることなく座っています。
担当者は、『あと、確認です。』と言って、ドールの着ている簡易的な衣装を外します。乳房が現れ、『こんな感じですが…。』と僕に聞きます。
そこには、張りの衰えた60歳の乳房がありました。もちろん、これは本人をリサーチしたものではありません。この会社のデータに基づいて作られています。
乳首はキレイなピンク色に染めていて、そのあたりはどうなのでしょうか。僕は『乳首がきれいですねぇ。』と聞いてみます。
担当者は深読みをし、『お客さまが、このくらいの方がお楽しみになられるかと思いまして。』と下手に話していました。そんなつもりはありません。
『身体とか変更出来ますか?』と聞くと、『申し訳ございません。お身体の方は、このままです。ご変更なら、こちらで…。』と言われます。
僕は、『これでいいです。』と答えました。
僕の了承を聞き、リラックス出来たのか、担当者は更にドールの服を脱がせます。彼は仕事で馴れているのかも知れませんが、見てる僕はドキドキです。
なにせ、座って黙ったままの大人の女性が服を脱がされていくのですから。彼はドールの足を持ち、『こちらが女性器になります。』と僕に見せようとします。
そこは、深い陰毛に覆われ、その奥にはピンク色をした女性器のヒダが見えています。
しかし、『多数の男性が、ここに入れて楽しんでいるのだから間違いないだろう。』と思い、『もう結構です。』と言って、僕は深く見ることはやめました。
『これで結構ですよ。』と言うと、担当者は安堵をしたようで、『ありがとうございます!』と大きな声でお礼を言うのです。
『700万円近い買い物です。』当たり前のことかも知れません。
これで終わりかと思っていました。しかし、『ではお客様、こちらへ。』と言われ、またあの廊下に出ます。
他人の目が気になるところですが、誰もいないようです。その辺り、ちゃんとしているのかも知れません。
すぐの部屋の扉が開きました。店員こそいませんが、そこはアダルト色の強いお店のようになっています。
様々なドールがポーズをつくり、所謂セックス用の下着をまとって飾られています。
『お気に入りのものがあれば…。』と言い、彼は一旦部屋から消えます。まあ、そのドール達に目を奪われました。
アイドル顔負けのドールばかりで、『こっちにすればよかった…。』と、熟女ドールにしたことを少し後悔もしてしまうのです。
それにしても、すごい格好です。テレビやネット配信なら、完全にモザイクが入るところですが、ここではハッキリと女性器が出されています。
顔も人間の女性そのもので、見てるこっちが照れてしまうのです。
僕はどうでもよくなり、担当者を呼びました。この場所に、少し馴染めないのです。それでも数点選び、彼に伝えました。
『では、ご用意します。』とアッサリと言われ、選んだ下着がタダであることを知り、『もっと買えばよかった~。』と嘆くのでした。
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