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【エピローグ】
裸の二人は仰向けに並んで、豪華な天蓋付きベッドに横たわっている。
ノーラは、伯爵にぴったりと寄り添うと横向きになって、伯爵の頬に優しく口づけをする。
伯爵は、その分厚い胸板に押し付けられたノーラの柔らかいおっぱいの先にある、伯爵お気に入りの大きな乳首の先っぽに人指し指の腹を押し付けて、クリクリとそれを回しながら弄んでいる。
伯爵は、ノーラの青く澄んだ瞳を見つめながらある告白をする。
ノーラ、僕が最初に君を訪れたあの夕暮れ時に、君を欺いていたことをやっぱり隠せないんだ。
こうして君を僕のいい人にしたのだから、もう君に隠し事などはしたくないんだ。
あら、旦那様、私に隠し事なんかあったの?
ノーラは、訝しげな表情で眉をひそめ、伯爵の灰緑色の瞳を見つめる。
ああ、あの時僕は既に君のことは調べて知っていたんだ。
何せ、村の外れの山奥に飛びきり美人の未亡人が一人住まいしているなんて、話題に飢えたこの近隣で噂にならない方がおかしいだろ?
そして、最初から君を僕のものにしようと企んでいた。
金貸商に君の借金返済を迫るよう裏で手を回したのは僕なのさ。
どうだい、失望しただろ?
と言って、伯爵はノーラの青く澄んだ瞳を覗き見る。
あら、いとおしい私の旦那様、そんなこと最初から私もお見通しだわ。
この近くにあなたがよく猟にくるのは知っていたし、いつかお逢いできる機会があるとは思っていたわ。
あなたが大きなおっぱいが大好きなこともね。
それに、あの時、あなたが声を潜めて従者に話していた内容も聞こえていたわ。
私、山育ちで耳がいいの。
小鳥たちのさえずりや木々のさざめきが日々のささやかな愉しみだったわ。
それは今でも変わらないけど。
ノーラは、笑いながら伯爵の頬に口付けをする。
そう、それであなたはきっと恐妻家なのね、ということも良くわかったわ。
だから、昔からの慣わしに従って、領主が「高貴な婦人」を側女として城内に住まわせたがために、怖い奥様とのいざこざに巻き込まれてしまうなんてよりも、おんぼろ小屋を、猟や行楽の際の公式な迎賓館として新築して、その管理人に雇ってほしいという、私のお願いはきっと直ぐに聞き入りられるわ、とあの「儀式」の後で直ぐに確信したのよ。
伯爵は呆気にとられて、ノーラを見つめる。
あぁ、君は賢い。
これは一本取られたよ。
しかも、この迎賓館の管理人はたいそうな美人で、その管理人の作る料理はまた格別に旨いと、近隣の領主たちの話題を独り占めしているからな。
お蔭で我が地には近隣君主の来訪が絶えなくなった。
そして、城下の商いは栄え、城の金蔵は潤う一方だ。
あら、それだけ?
ノーラは、茶目っ気たっぷりの目で、伯爵に微笑む。
伯爵は肩をすくめて答える。
もちろん、あっちのほうもな。
さて、二回戦だな。
そして、二人は再び熱く抱き合った、、
(完)
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