「両者、リング中央へ!」
間を置いて俺は自分の仕事に徹することにした。そして両チームに今日の試合のルールを説明した。
細かい内容を省くと、今日のタッグ戦はタッチ方式。
リング内では二人がかりの攻撃は認められないが、場外では試合権を問わずに攻撃を加えることが認められていた。
もっとも、自分が介入しない限りはリング内でも反則は見逃されるわけなのだが。
試合権がある選手がノックアウトされて10カウント数えて起き上がれない場合、自然に試合権は待機する選手に移動、強制的に試合を続行し、どちらかのチームが動くことができなくなるまで続けられるデスマッチ形式。
裏を返せば相手チームを二人とも動けないようにするまでは延々と試合が続けられるので、二人をノックアウトさせた状態での10カウントでのみ試合は決するということで、勝者と敗者の構図がはっきりする内容になる。
そのことは事前に知らせているだけではなく、同様の形式で勝ち進んできて選ばれたリングにやってきた日本と韓国の両タッグには織り込み済みだろう、俺の説明はほとんど耳に入っていないようだった。
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