8時24分駅に到着した。
嫁さんのパート先は9時30分までに行けばよい
まだ1時間ある。
サチエの後ろ姿を見ていたい。
足首からふくらはぎ、形のよい円いヒップ
歩く姿にも品がある。
二メートルぐらい後ろを付いて歩く。
途中の個人商店は開いていなかった。
夜の8時までか?
そして
あの今は使われていない広いガレージ。
この間まで中が見通せたのに
横断幕で
高層マンション断固反対!
立て看板も同じ事が書かれていた。
人目を引き付ける物だが、最初のうちだけだろう。
逆に
横断幕によって
中の見通しが悪くなっている。
俺はサチエのことより、
そのガレージ内の事が気になった。
サチエの後ろ姿をその横断幕を見ながら見送った。
駅に引き戻り
右を行けば自宅、左に5分ほど行けば嫁のパート先。
もちろん、左へ行く。
県道沿いの小さな弁当屋である。
10時30分開店で、嫁さんは仕込みやら、飯炊きやらで、9時から入り3時までのパートである。
小さな弁当屋で、店長と店長の奥さん以外は全てパートである。
全てと言うと大人数かと思ってしまうかもだが、パートは四人と言っていた。
結構、美味しくて評判は良い。
昨年、新しく店をだしたぐらいだ。
その新店舗を息子夫婦に任せてあるらしい。
登り方面の二つ先の駅前にある。
弁当屋の前に着いた。半分シャッターが閉まり灯りが漏れている。
こんばんわ。いつも、嫁がお世話になってますー。
「あっ、津川さん、こんばんわ。こちらの方こそ奥さんに頑張ってもらって大助かりですよ。ちよっと待ってくださいね」と
奥へ行ったかと思うと小さな包みを持って出てきた。
「これを奥さん忘れたらしいです。ハイどうぞ。それとこれ、よかったらお惣菜の残り物で悪いですが持って帰ってください。」
店長の気遣いに
ありがとうございますと言いながら受けとる。
「それと、津川さん。今からもちろん家に帰られると思うんですが明日から奥さん、夜の8時まで仕事無理かきいてもらえないですかね」
嫁さんは3時までじゃなかったですか?
「それがね、、、、、」
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