第三章 疼きの予感
とある日、海は残業を終えて疲れた体を引きずるように給湯室に入った。
もう誰もいない社内は静まり返り、薄暗い照明だけが残っている。
海はインスタントコーヒーを淹れようとしながら、ぼんやりとため息をついた。
その時、背後に気配を感じた。
心の動揺を隠すかのように、海は振り返って言った。
「……なんですか? 私に何か……?」
次の瞬間——
バシッ!
大きな音が給湯室に響いた。
矢島梵の大きな手が、海の左頬を強くひっぱたいた。
「キャッ……!」
海は何が起きたのかわからず、頭が真っ白になった。
痛み、恐怖、困惑……そして、なぜか下腹の奥から込み上げる甘い快感。
打たれた頬にそっと手を当て、震える目で矢島を見上げた。
矢島は静かに、しかしはっきりと言った。
「辛かったな」
その言葉に、海の視界がぼやけた。
大粒の涙がぽろぽろと頬を伝う。
矢島が海を抱き寄せた瞬間、海の脳裏に閃いた。
(この人は……私の上位者だ……
私は……この人のものに……なりたいんだ……)
その認識が一瞬、心を支配した。
しかし、次の瞬間——
海は我に返った。
(……何を、考えてるの……?)
真面目で几帳面に生きてきた自分が、たった一発の平手打ちでこんなことを思うなんて、ありえない。
海は慌てて両手で矢島の胸を押し、自分を引き剥がすように体を離した。
涙を乱暴に拭い、掠れた声で言った。
「……すいません、矢島さん。最近私、少し疲れてて……」
そう言い残すと、海はほとんど逃げるように給湯室を走り去った。
家に帰り、シャワーを浴びても、海の体は熱かった。
ドロドロに濡れた秘部にそっと手を当てた瞬間、
勃起したクリトリスに指が当たり、
ビクンッ!
衝撃に似た快感が全身を走り抜け、海はその場で膝を崩して達してしまった。
ベッドに入ってからも、天井をぼんやり眺めながら、頬に手を当てた。
蜜の溢れが止まらない。
秘部を押さえ、身体を丸めながら、何度も、何度も達してしまった。
(私は……どうしてしまったの……?)
真面目な自分と、疼き続ける体との間で、
海は激しく葛藤し続けていた——。
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