蛭川から見せられたスマホの画面に美鈴は絶句した。
写っているのは明らかに裸の自分である。
酔っているのか虚ろな目で、だらしなく半開きの口からは何か声が漏れている。
「まさか…まさかコレって…まさか」
「さぁここからですよ、課長」
カメラアングルが徐々に上半身からお腹へと下ってくると、陰毛と共に接合された男女の性器が映し出される。
「イヤっ!貴方!なんて事を…!」
酔って意識の無い状態でレイプされていると思い込んで叫びかけた美鈴だが、次の瞬間更に自分が信じられなくなる映像が続く。
『課長?課長の指示通りしてますが、こんな感じで良いんでしょうか?』
『あぁっ…そうよ…ングっ…もっと…もっと激しくしなさい…』
ボソボソと寝言を呟いているようだが、画面に映る姿は紛れも無い自分本人である。
信じられないという表情で画面を凝視している美鈴を横目にほくそ笑む蛭川だった。
実はこの映像、確かに意識朦朧の美鈴のハメ撮り映像だが、美鈴が口を開く部分だけ、AI生成して加工した映像と音声で合成してあるのだ。
良く見れば判別出来るかもしれないが、今の美鈴にそこまでの余裕は無い?、
更に音声と映像が続く。
『あぁ…もっと…強くっ…しなさい…さもなくば評価を下げるわよ……命令よ……』
最早美鈴の顔は青ざめて顔面蒼白だった、そんな美鈴の表情に蛭川は愉快で堪らなかった。
「課長、どうです? 僕は課長の指示でやっただけなんですよー。でも、さっきみたいに皆の前である事無い事言われるかもしれないから、念の為に記録を撮ったんですよー」
「…あ…あの…あ……その……」
言葉にもならない、今の美鈴の頭はパニックでいっぱいなのだ。
あの日、会合途中からどうしても思い出せない…夫のLINE内容、朝の事務所での皆の声…伊藤理香のあの態度…何よりも今見せられた自分の映像…辻褄は間違っていない…。
やはり私は酔って上にとんでもない痴態を晒してしまったのだろう…。
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