翌日、目が覚めるも身体が重く倦怠感のまま起きた美鈴であった。
(…何?…何で私ソファで寝てたの…?しかも服のまま…?)
(そういえば、昨夜は職場の会合で店で皆とお酒を口にして…どうしたんだっけ…?)
傍らのバッグからスマホを出すと夫からのLINE通知が目に入った。
[全然起きないからそのままそっとしといたよ。昨晩は会社の蛭川さんと伊藤さんが美鈴を送ってくださったんだよ、ちゃんとお礼を言ってあげてね。あと体調悪かったら安静にね]
皆と一緒に飲んだのは覚えているが、途中からが思い出せない…そんなに飲んだ覚えも無いが、途中で飲み過ぎて潰れてしまったのか…夫によれば部下の蛭川に送ってもらった模様だが、それも記憶に無い。
伊藤理香はともかく、よりによって同期で部下の蛭川とは…
同期で部下なだけで接しづらいが、それ以上に彼の日頃の女性社員からの苦情に課長である美鈴は頭を悩ませていた。
若い女性社員への目に余るボディタッチの苦情が課長である自分に届い為、警告と称した厳重注意をしたこともある。
しかも自意識過剰だの、課長は触られんから僻んでるんじゃ?とか半ば開き直られた経験もあったのだ。
それからは蛭川の女性社員に対するボディタッチは影を潜めたが私を含めた女性社員達からの評判は良くないはずだ。
蛭川に送られただけでも不服な気持ちだが出社したらお礼だけは言わなきゃ…と思いながらシャワーでも浴びようかと重い身体を起こそうとして気付く。
(濡れてる…?)
思わずパンツスーツを下ろして股間を確認する。
(これオシッコじゃない…愛液…なんで?こんなにも…?)
改めて脱いでみるとショーツはベトベトに濡れそぼりパンツスーツの裏地にまで染みが広かっていた。
心の何処かで何か不信感を抱えるも、伊藤理香も一緒に自宅に連れてきてくれたのだから、何か蛭川にされた訳でも無かろう。
何処で記憶を失ったのか全く思い出せないまま気持ちだけはリセットしようとシャワーに身を注いだ。
そして翌月曜日の出社を迎える。
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