目的地が近くなるにつれ、わたしの鼓動はしだいに激しくなり足取りも早くなっていた
そこへ着いたときには辺りはすでに暗くなり、街灯だけがわたしを照らしている
たどり着いたのは築数十年くらいは立つ古びたぼろい見た目のアパート…二階に上がる階段は錆びてボロボロになっていた
私はそれを登っていく…階段を上がるたび、カタン‥カタン‥と靴の音が響く
さっきまで軽かった足取りも今ではすごく重く感じた…
一歩ずつ…ゆっくりと歩を進めていく一番奥の古びたドアの前へと到着した…
すぅーはぁー…緊張を落ち着かせようと深く息を吸う
ここへまた来てしまったことを半ば後悔する反面、期待に胸を膨らませてもいた
チャイムを押す指がプルプルと震えている
わたしは意を決しチャイムを押した、ピンポン…無機質な音がする
中からの返事はなかったがドアノブへ手をかけると、ギィィィ…軋む音を響かせゆっくりと開いた
〝おじゃまします…〟
そう挨拶しながらわたしは中へと入りゆっくりとドアを閉めた
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