麦茶を2つテーブルに置きました。
兄はグビグビと一気に飲んで空にします。
「おい優吾、コンビニ行ってビール買ってこい」
「えー、兄貴いけよ」
「ほら、釣りは小遣いだ取っておけ、500を6本な?後、車から荷物持ってこい」
「おっ!ゴチになります。じゃあ行ってるわ」
自分を置き去りにした兄弟の会話が続き、優吾が家から出ていきます。
「健人君、灰皿ねえかな?」
「は、はい。持ってきます」
優吾は嫌いだけど兄と2人きりは更に嫌でした。恐怖心が増幅して言われるままに灰皿を取りに台所にいきます。
戻ると兄はスマホを取り出し誰かと会話していました。
「おはようさん」
~
「言っておいた準備出来てるか?」
~
「よし、今から降りてこい」
ボクはその会話は絶対に胡桃だと確信し泣きそうな顔で灰皿をテーブルの上に置きました。
兄が電話を切って直ぐ、階段から足音が聞こえます。
「健人君も、こっち座りな」
座ると肩に手を回して来ます。
逃がさないという意思を感じました。
妹の胡桃が中学の制服を着て居間に姿を見せます。
「おはようございます」
「おはようさん」
「おはよう、胡桃」
兄として何時もの挨拶をするけど妹の目線は自分を見てませんでした。
……辛い。そして怖い。嫌な予感しかありません。
隣で猛が妹を値踏みする様に見ています
「なかなか似合ってるぜ、私立だったよな」
「はい。ありがとうございます」
「後ろも見せてみろ」
「はい」
妹は猛の言いなりでした。今度は後ろを向きます。
「後ろも悪くないな。今日は胡桃のお兄さんと友達になるから、お前も協力しろな?事情を話したりこれからの事も言わないとな、取り敢えず脱げ!」
えっ!何を、、、、胡桃がチラッとボクを見ました。
「はい」
、、嘘だろ?
胡桃の手がセーラー服に、、、そして躊躇無く脱ぎました。
ブラは付けてなくて直ぐに可愛らしい未成熟な乳房とピンク色の乳首が露わになります。次に白靴下を脱ぎ、スカートにも手を掛けました。
スカートが床に落ちると何も履いてなくて完全な全裸になりました。
中学生だから生えててもおかしくない下の毛は無く幼い縦筋が露わになりますが、胡桃は胸や股間を一切を隠すことをしません。
真っ白で細く華奢な手足や腰、未熟な裸体は朝日の光を浴びてとても美しく
思わず見蕩れてしまいました。
「次は後ろを向け」
「はい」
全裸の胡桃は身体を180度回転させて後ろを向きます。
な、…………………っ
胡桃の後ろ姿に絶望的な気持ちになりました。悔しくて半泣きになります。
真っ白な背中には幾つもの赤い線状の跡が幾筋も付いていて、小柄なお尻は少し赤みを帯び背中を上回る跡が付いていました。
その痕跡は大切な妹が過ごした空白の5日間の悲惨さを示し、それを施した憎い相手が横にいます。フツフツと湧き上がる怒り。
「健人君、こんな怪我をしてるから今日は妹さん学校を休ませてくれないかな?それと健人君もこれからの事が有るから休んでくれ。いいね?」
「妹にこんな酷いことをして……ゆ」
「あっ?悪い聞こえなかった。何?」
怒気をはらむ怒鳴るような太い声。
ボクは一瞬で萎縮してしまいました。
「わ、分かりました。学校に電話します」
「分かってくれて嬉しいよ」
妹の胡桃の生々しい傷跡、隣にいるだけで恐怖心を感じるこの男にどんな目に合わされたかと思うと震えが止まりません。
兄の前なのに、男に脱げと言われ躊躇無く全裸に、そして悲惨な後ろ姿を晒す胡桃。
暴力で支配されていると思いました。
ごめんなさい、ごめんなさい
と何度も心の中で謝ります。
妹を救えるのは自分だけ、でも何も出来ない。自分はこの男に負けない位の屑だと思いました。
※元投稿はこちら >>