次の日の早朝また彼女の前に行った。
そして彼女が出てくるのを待った。
手には弁償するためのリコーダーのお金と慰謝料のつもりのお金。
いくらするのかもわからないけれど、自分が持ってた2000円とか3000円くらいを封筒に入れていた。
長い間待っていたが一向に出てこない。もしかしたらショックすぎて学校を休むのかもしれない。
そう思ったときようやく出てきた。
昨日はごめんと謝りながら僕はお金の入った封筒を渡した。
彼女はこんなものいらないわよ、変態最低!
と罵倒して封筒を地面に叩きつけ僕を睨みつけた。
その反応も当然のものだろうが当時の僕はその態度が気に入らなかった。
謝ったのだから許してくれたっていいだろう。金も渡したのにこれ以上どうすりゃいいんだ。と憎しみに変わった。
その日からしばらく学校には行かなくなった。
代わりに彼女の家に昼間に行った。
彼女の母親に会うためだった。
受け取らなかったお金でケーキを二人分買って持って行った。
チャイムを鳴らすと笑顔で出てきてくれた。
そして、すぐさまケーキを見せて、
「昨日親切に声かけてくれたのがうれしかったしお姉さんきれいだし仲良くなりたいな。と思って良かったら一緒に食べたいんですけどダメですか?」
下心みえみえの言葉しか出なかったが、もじもじしてた僕
が変な人ではないと思ったのか家にあげてくれた。
学校は?などと野暮な事は聞いてこなかった。
たわいもない会話をしつつ、今度はお姉さんの手料理が食べてみたいです。とか言ってみたりしたら
「じゃあ今度はご馳走してあげるね。何がいい?」
とか聞かれたので、
「ほんとに?嬉しい。ハンバーグとかオムライスとかそういうのが食べてみたいです。」
と答えると笑顔でわかったと頷いてくれた。
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