二人組の大学生が声をかけてくる。
「ねぇ?あの子をいじめてるのかい?あんな水着まで着せて。もしそうなら確かに美人だけど、最低だな。大丈夫かい?」
バスタオルをひろみにかける。正義感の強い大学生たちだった。
「ねえ?私、いじめてる?その水着も無理矢理着せた?違うわよね?」
玲奈は大学生にも聞こえるようにひろみを睨みつけながら聞く。私が悪いんじゃない。とでもいいたげに。
でも大学生たちはひろみが置かれている状況をひとつもわからなかった…。
「はい…イジメられてないです…これを着ているのは自分の意志です…。」
ひろみは庇ってくれようとする大学生に向かって顔を赤らめてそう答えるしかありませんでした。
「ほらね?これでわかったでしょう?」
玲奈と香織は嬉しそうにしている。
さらに大学生に耳打ちする。
「あの子、女の子に見えるけど、中学生の男の子なのよ。変態なの。パレオでおちんちんを隠してるのよ。これでわかったでしょう。」
ひろみには聞こえなかった。
けれど大学生たちはひろみを見る目が、同情から軽蔑の眼差しになり立ち去っていった。
ひろみにはとてつもなく屈辱的で惨めな気持ちでいっぱいになりました。
小さな女の子が追い討ちをかけるように、母親に向かって
「あのお姉さんの水着、なんて書いてあるの?」
「あれは頭のおかしい人だからあなたは知らなくていいのよ。」
すべてがひろみの耳にも聞こえていた。
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