5章
淫獣ノ巣窟
劇場内の照明が目まぐるしく入れ替わり、猥雑さに満ちたBGMは、生贄の牝達の悲鳴を掻き消す処刑前のドラムの音にも似ていた。
向かい合い脚をM字形に開いたまま、両手で自ら秘唇を押し拡げた姿で固定されたルナとマキ。
水槽から引き揚げられた、人造ウナギは暗く湿り気のある場所を求めて二匹の牝達の股間をまさぐると、やがてローションに濡れた生殖孔に狙いをつけて、前後の頭を深々とねじ込み始めた。
『…あっ!侵入ってくる…お腹の中まで、深いィイッ』
淫獣は、ナメクジの様なヌメリ気を持った表皮を収斂させながら、二匹の牝の意思を無視して胎内奥目指し、やがて子宮口まで到達するとグロテスクな捕食口で吸い付いた。
人外の生物にモゾモゾと内臓を吸われる刺激に、二人は悶えながら膝を閉じようとしたが、固定式の拘束具はそれを許さず、暫し無防備な姿で獣に蹂躙されるがままの見世物となった。
やがて、本来の演目である双頭ディルド相撲の開催が伝えられると、今度は膝と手の平を床に着け、尻を向き合わせた格好にされた牝畜達は、
『ウナギが抜けたり、膝下、手の平以外が床に着いたり、丸い縁からはみ出たりした方が敗者』
とのルールを告げられ、平常な世界では普段目にしない、舞台演者の人格や尊厳を無視した、馬鹿げたゲームの駒として扱われるのだった。
双頭ディルド相撲
『悪いけど、勝たせて貰うわよ』
ルナは下劣な悦びに身もだえしながらも、優しく微笑み、やや勝ち気な口調でマキに宣言した。
このゲームには勝敗予想が賭けられていて、負けた方には公開罰が与えられる為、勝負にはシビアに為らざるを得ないのだった。
そして見物客には滑稽だが、当事者達は真剣な遊戯が始まった。
(続く)
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