4章 双嬢散華
各地の軍政区において、統治は現地の将軍や軍官僚達に一任されており、社会基盤はほぼ無傷のまま接収され、法の庇護もなく全てを剥奪された占領統治下の人々は、
『適切に管理運営され』
明日のない日を過ごしていた。
今回、異物挿入レズショーの相手として引き合わされた白人牝も、大戦前に政権崩壊した東欧出身の女だった。
電脳アクセス情報
備考:売笑婦としての見世物Cat Fighterとして使用可能
『身長170cm バスト92cm ウエスト68cm ヒップ90cm 北欧系 白人 プラチナブロンド 占領地区人 用途:鑑賞・愛玩・性慰安用 性別:純正牝 改造歴…』
ルナとマキが、安普請の控室で初めて出会った時の印象は、
『…綺麗な、お人形みたいなひとだなぁ…』という感情をマキに印象付けた。
高品質の繊維を想わせる天然のブロンドを後ろ髪で束ね、やや上がり気味の眉毛に、少し勝ち気な印象の瞳、肩と股関節から下は、わざと球体人形の形状を模して、ギミックを内蔵した、体を一部機械化された女性の姿がそこにあった。
大戦中、諸国連合軍政府が侵攻した戦乱のなかで、戦火に巻き込まれたのか、またはストリートチルドレンを食い物にしている、闇売買組織の変態共に玩具にされたのか…改造マニア向けの猟奇趣味の匂いがする身体を持つ美女。
やがて興行主が現れて、ステージの用意が出来た事を伝えられると、挨拶も半ばに舞台袖で待機する、二匹の見世物牝共だった。
魅惑の見世物小屋
『皆様方、ニイハオ熱烈歓迎!よくお越しくださいマシタ、これからmine達のすてーじヲ、おTIMEの許す限り御覧になってクダさぁい。先ずはパートナーの紹介から初めるデース♪』
観客の安物の電脳翻訳ソフトが、前口上を来客者それぞれの母国語に翻訳すると、会場内の明かりが落ちて、開演ブザーが鳴り響き、軽快な音楽が流れだすと、二人共お互いにお揃いのペアのニップレスに、スパンコールの輝きを放つ紐状のバタフライ、身につけているほうが恥ずかしい衣装でステージに揚がった二匹は、場内の音楽に併せて軽く踊ると、劇場スタッフによる、次の口上アナウンスを待つのだった。
『本日は当劇場にお越し…ヨーロッパの性器伝道士ルナと、改造肉奴隷のマキ、二匹の牝達による華やかな魅惑のレズプレイ、双頭ディルド相撲、オープンショー、ふれあいオールタッチでお楽しみください…』
会場内のやや緊張した空気を解きほぐすため、トップバッターとしての二人は、スタッフに首輪で繋がれたまま、シート前列の間を男達を誘う仕種をしながら、各々に躯を触らせ、受付でICチケットを購入したお客様には、オプションとして暫く好き放題に弄ばれていた。
無数の手により躯を散々弄り倒された頃に、次の演目のレズショーのBGMが流れてきた。
引き回しを終えて装いを新たにすると、二匹は純白のローマ的な女性服に身を包んで、舞台の中央に降り立った。
BGMも和らいだ曲調にかわり、お互いの女華を指で擦り上げ、ピンと張り詰めた乳首を舌先で優しく転がすと、どちらともなく体位を入れ替え、観客が見やすい様に腰を軽く突き上げ、恥ずかしい秘唇を牝の手で開け拡げては、全身を舐め廻すのだった。
やがて、旋律の終焉に合わせ、鼻にかかった甘い喘ぎ声が、歓喜の吐息に変わり、花を咲かせた様に絶頂を迎えたルナ。
暫しの間、二体の躯はステージ上でひとつとなり、安らいだ時間を共有していた…。
再び、スポットライトが目まぐるしく点滅し、投光係がアナウンスを入れると、間髪入れずに、前後に頭を持つ人造八目ウナギが、これから始まる演目の、双頭ディルド相撲に現れたのだった。
『当劇場が誇る女泣かせの悪い奴!八目の八ちゃんの登場です!』
安っぽい投光係のアナウンスが流れると、怪異なる容姿を持つ性の快楽の為にだけ生み出された淫獣が、キュゥキュゥと奇妙な鳴き声をあげて二匹の牝を待ち受けていた…
(続く)
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