「じゃあ、お休み」
夫の言葉が届いた瞬間、遥は震える指で通話終了ボタンを押した。スマホがシーツの上に滑り落ちる。
「いいご主人だな」
正明が耳元で囁き、同時に腰を深く押し込んだ。
「っ……!」
遥の口から、押さえきれない嬌声が漏れる。もう隠す必要はない。その事実が、彼女の理性をさらに削り取った。
「声、出せよ。誰も聞いてねえ」
正明の動きが、先ほどまでの慎重さを失い、荒々しさを増していく。熱く張り詰めた異物が、遥の内部を掻き回す。
「いや……こんなの、おかしい」
遥はシーツを握りしめ、首を振った。夫への罪悪感が胸の奥で冷たく輝いている。けれど、それとは裏腹に、体の奥底から熱波のようなものが押し寄せていた。夫では届かない場所。知らなかった敏感なポイント。正明の巨大な楔が、そのすべてを容赦なく突いている。
「ここか? ここがいいんだろ」
正明が特定の角度で深く穿った瞬間、遥の背中が弓なりに反った。
「あっ、そこ……だめ」
言葉とは裏腹に、足の指先が丸まり、内腿が痙攣する。彼女は自分の体が裏切っているのを感じていた。嫌悪していたはずの行為。夫を裏切る背徳行為。なのに、体は歓喜の声を上げている。
「素直になれよ。気持ちいいだろ」
「……違います。私は、こんな」
「嘘つけ。締め付けが強くなってるぞ」
正明は低く笑い、さらに激しく腰を打ち付けた。パン、パン、という乾いた音が部屋に響く。遥はもう、抵抗する気力を失っていた。心のどこかで
「これでいいのだ」
と諦めにも似た感情が芽生えている。夫に電話をかけたまま侵入された背徳感が、今は奇妙な興奮へと変化していた。
「ああっ、んっ……!」
遥の口から、堪えていた声が溢れ出す。自分の声とは思えない、甘く卑猥な響き。
「いい声だ。もっと聞かせろ」
正明の汗が遥の胸に滴り落ちる。二人の体は汗と愛液で滑り、密着度を増していた。
「課長……もう、許して」
「まだだ。中に出すまでは」
その言葉に遥は息を呑む。
「えっ、だめです。中には」
「遅せえよ。もう戻れねえ」
正明は遥の腰を強く掴み、最奥へと己を突き入れた。遥の視界が白く弾けた。体の芯が溶かされ、快楽の渦に飲み込まれていく。
「あああっ!」
正明が低く唸り、熱い奔流を吐き出した。遥は自分の内側に広がる熱を感じながら、空虚な瞳で天井を見つめた。
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