めくるめく官能世界に程遠く
「女子校の学園祭、一緒にいくんだよね」
「その日は、毎月積み立てているお友達と２泊３日の旅行なの、ごめんなさい」
「僕も行きたい」
「あなたが女性ならよかったのにね、私、とっても残念ですわー」
「ちぇっ、つまんねーの」
「うふ、いいじゃない、おデートされるんですもの、まゆさんに感謝感激雨霰、でしょ」
「まゆさんが一緒に行くと思うから、安心して喜んでいたのに、女だらけの園で、なに
が悲しくて、たった独り地獄の特訓を受けなきゃならないのさ」
「あ、そうそう、まいさんからメールがあったわ、『お兄さんをお預かりします、ご旅
行を楽しんでいらしてくださいね』、ほら」
「貴女達、グルになって、このか弱き男を
いびり倒そうとしてない」
「うふふ、誰がそんなこと」
「いいよ、もう、女の子と浮気したって知らないよ」
「うふ、じゃ、私も浮気しちゃおうっかなあ、ひと夜のアバンチュールなんてどうかし
らね、想うだけで体が熱くなって、ドキドキしちゃうわね」
「氷買ってこようか」
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