めくるめく官能世界に程遠く
滅多にメールしないりょうからまいに短メが届いた。
「補習休みます、ごめん」
「北海道 定山渓紅葉 小樽散策 北大構内散策」
まいは訝しげにメールの文字を追った。
(北海道?ハネムーンって、ふつう暖かいところで過ごすのでは・・・・)
(北大構内散策?ハネムーンじゃないの?)
全てが自分のためと「究極の自己中」を公言して憚らないりょうらしさが、画面に浮き
出てくるようで、思わず微笑んだ。
(とんでないあなたを夫に持ってお姉さんも大変だわ)
遡ること1か月前、まいはクラスメイトから医科大の男子学生を紹介されたことがあった。
身なりも髪型もまあまあ、女子大生や女子高生にモテそうなイケメンの部類。
でも、終始タメ口で話し、女性に一応配慮はするものの、初めて会ったまいにもバタベタ
して気持ち悪く、女性を性処理の道具としか見ていなさそうで、メアドを交換する気に
もなれずに、当たり障りのないように無視した。
(まい、間違っていないわよね、ね、あなた)
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