めくるめく官能世界に程遠く
科技サークル
「お、いたいた、リケジョはその後どう、進展はあった」
「えっ、あ、あは、まあ、呼んで来ますのでお待ちを」
「紹介します、今年入室した子です」
「はじめまして、〇〇です、よろしくお願いします」
「こちらこそよろしくです、実は彼がね、あなたのことを」
「エッヘン、ゴッホン、部屋が埃っぽくて」
「ふふ」
「えっ、何ですの、ふたりして」
「いや、なんでもありません、どう、慣れましたか」
「皆さん、とてもよい方達で毎日楽しく過ごさせてもらっています」
「そう、それはよかった、何かと面食らうこともあるでしょうけれど、彼がサポートし
てくれるそうだから、困ったことがあれば彼に話せば」
「先輩、逆なんですよ、僕が彼女を頼りにしているというか、そのう・・・」
「えっ、どうなってるの」
「うふ、彼、私のボーイフレンドです」
「へっ、そうなんだ、これはこれは」
・・・・・・・・・・・・・・・
「おい、いつからボーイフレンドになったんだ」
「いやあ、それがそのう、初めは、ずいぶん態度のデカい横柄な子だと思い、なるべく
無視しようとしていたんですが、あんまりしつこく訊いてくるもので、根負けして教え
るつもりで話すうち、1つ教えると5つも6つも教えられるというか、僕のほうが頼りに
するようになって」
「ふふ、ミイラ取りがミイラにねえ」
「まあ、そういうことなんで、前言、撤回します」
「はは、白旗揚げるのハヤッ」
「てへっ」
「ところでさ、おまえの男友達で、真面目でモテそうでモテないおまえみたいなヤツい
ないかな」
「何ですかそれ」
「ふふ、実は、僕の知り合いにすっごくかわいい頭の切れる女子高生がいてね、ボーイ
フレンドを探しているのだけれど、誰か心当たりはないかと」
「さあ、なんなら僕が相手になりましょうか」
「バカめ、真面目に答えろ」
「そうですねえー、学外なら何人かは」
「うんうん、それで」
「でも、彼女持ちかも知れないし」
「そうだよね、まあ、今すぐというわけでもないから、気にとどめて置いてくれたらあ
りがたいのだけれど」
「わかりました」
「ふふ、彼女を大切にしろよ、じゃね」
「はい」
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