めくるめく官能世界に程遠く
補習(予習)まい専属進路お手伝いさん 15回目
部屋に入り、お互いの手のひらを掴まず合わせ、唇を触れ合い、顔を左右に軽く振った。
唇のくすぐったい心地よく痺れた。
まだキスらしいキスもしていないのに、まいの体がゆらゆら揺れだした。
「まいさんは全身で感じるから分かりやすいよ」
合わせた手のひらに、湿り気を帯びた全指を絡ませて、まいの揺れを抑えた。
「またホテルへ誘って」
「成績が上がったらね」
これが未成年とする会話だろうか、と自分でも思うけれど、まいが自分で進路を決める
一助になるなら、世の批難など、屁でもない。
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「まいさんが小児科医を諦めるのは、偏差値が足りないからではなく、ご両親の経済的
負担を考えてでは、と、まゆみさんが心配しているのだけれど」
「・・・・それもあります」
「ふーむ、やはり」
「お母さん達には内緒にしてね」
「地方の大学を目指す気はある」
「ないわ」
「一浪する気は」
「ありません」
「それって、皆お金絡み」
「それだけではないわ」
「もう一つ、医大の偏差値はそれほど信頼できるものなの」
「信頼できると思いますけど、じゃあ、信用出来ないとしたら、何を信用すればいいの」
「図書館へ行ったこともなかったけれど、行って医大の過去問を見てみた。
偏差値の同じ大学でも、内容に相当バラツキがあり、何故かは分からないけれど、医大
は 特殊な印象を受けた。
過去問を解いて、自分に合った入試の学校を選ぶほうがよいのでは、と思いましたよ」
「ふうん、そうなのね」
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