バイキングの後、1時間程遊んでからアパートへ帰った。先に那奈が部屋に入った。「御馳走様でした…楽しかったです」「今度は海にでも行こうね」「はいそうですね」と言いながら「あの…ちょっと」と言って近づき顔を寄せると、俺の頬にキスをした。「お休みなさい」と部屋に入った。俺は玄関で暫く呆然とした。…それからこれと言った進展は無く、雨の日は2人の送迎をしてあげた。…梅雨が明け本格的に蒸し暑い日が続いた。その日も蒸し暑い日だった。仕事が終わり風呂も入ってのんびりしていると、8時頃に隣りから「きゃぁぁぁ」と叫び声が聞こえた。(なんだ?)と思って隣りに行き玄関を叩くと、すぐに鍵が開いて2人が出てきた。「どうした?」「ゴ、ゴ、ゴ」「ゴ?」「ゴキ…」「あぁ…奴ね…どこ?」「いぃ居間に…」「ちょっと待ってて」と部屋に戻り蠅たたきを取ってきた。「どこ?」俺の後ろに抱き付く様に隠れ震えながら「あそこ…」と指を指した。飛び散らない様に力をセーブしてバシッと叩き「ティッシュ」と言うと遠くから投げ捨てる様に渡した。
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