誠がチカに痴漢しただろう日、朝から落ち着きなく歩き回っては5分間隔でスマフォ眺めていた。
昼になっても、夕方になってもスマフォは静かなままだった。
「ただいま、」
玄関を開け帰って来たチカを上から下まで舐める様に眺めた
「何見てるの?どっか変?」
チカの言葉に首を振って
「いや、相変わらず綺麗だなって」ごまかした
「もう、可笑しいわね。あ、何か欲しい物あるんだ」
小首かしげながら言うチカは、まったく普段と変わりなかった。
夜、ベッドの中で求めても、普段と変わらぬ反応だった。ただチカから
「今日はどうしたの?何かガツガツしてる」って言われた時はビックとした。
次の日はチカも休みで、二人でまったりとした時間を過ごした
(こりゃ誠、失敗したな)なんて思いながらぐっすりと眠れた。
翌朝、いつも通りにチカが出勤するときにスマフォが鳴った。そこには
「今日も奥さん痴漢します」 誠からだった。
「何、仕事でトラブったの?顔青いよ」
チカが心配そうに声かけて来た。
「いや、何でもないよ、それより、早くしないと遅刻するよ」
明るく言ったつもりだったけど、声震えていたかもしれない。
チカが出かけるや否や、誠に返信した。
「今日もって、おとといは痴漢できたの?」
返事はすぐ来た。
「しばらくしたら全部話すよ。それまで想像で否、妄想楽しんでてね」
その日も一日中スマフォとにらめっこしてた。
我慢できずに誠にメール入れてみた。今度は直ぐに返事が来た。
「ラインアドレス、ゲット」
短い文章だったけど、意味深だった。あの慎重なチカが2回逢っただけの中学生にアドレス教えるなんて。
しかも誠は痴漢の事はなにも話さない。
その日からチカを観察するようになった。
でも、これと言って変化は見られない。ただ、いままでは無造作にテーブルの上に置いていたスマフォを
常に手元に置くようになっていた。
1週間経った時、誠からメールが届いた。
「今度の土曜日、チカ、理由をつけて出かけるよ」
それだけだった。ものすごい胸騒ぎに襲われた。
(今度の土曜っていったら俺の誕生日じゃないか、それにチカっていきなり呼び捨てかよ)
その日帰って来たチカはいつもとちょっと違った。
なにか神妙な顔で
「今度の土曜日、出勤してくれって言われちゃった」
子供が悪い事見つかったみたいな顔してる。
「いいよ、仕事優先」笑顔で言ったけど、心臓鷲掴みにされた気分だった。
土曜日の朝、いつも通りの時間に出かけるチカはいつもよりお洒落な感じだった。
「夕方までには帰って来るから」
何故か俺の顔見ないで出かけた。
夕方、チカから電話があった。
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