「その人たち、酔っ払って、目がトロンとして来て…その内あたしのこと、いやらしい目で見て来て…」
「それで?」
「そしたら友達が、お酒足りないから買って来てって言って、外へ出してくれたの。怖くなってそのまま家に帰っちゃった」
「そうか…」
「あのまま居たら、あたしもあの人たちにマワされてたのかな?」
「多分な…」
「…こわい…」
中2の頃から週2回は俺とセックスし、すっかり大人の女の反応をするようになった紗季でも、初対面の男どもに無理矢理、代わる代わる突っ込まれるのは、想像もしたくない程恐ろしいことらしい。
「もうその友達の部屋には行かない方がいいな」
俺が言うと紗季は素直に頷いたが、ふいにキッとなり
「なんであんたがあたしの心配してんのよ?」と聞いてきた。
「いやまあ…お前のアソコは今の所俺専用みてぇだからさ、他の奴らにやたらに突っ込まれて形が変わっちまったら俺が困るだろ?」俺が冗談めかして言うと
「変態!」
と怒った顔をしてみせたが、その実、まんざらでもなさそうに見えた。
この日を境に紗季は、ピタリと夜遊びを止めた。俺はひと安心と思った。だが話はそれだけで終わらなかった。
紗季にこの話をした3日後、俺はいきなり社長室に呼びつけられたのだ。
『とうとうバレたか…』
俺が社長に呼ばれる理由など、紗季のこと以外あり得ない。大方、紗季の部屋に行く所を寮の誰かにでも見られたのだろう。だが、社長に叩きのめされ、クビにされることはあっても、いまさら警察に突き出されるようなことはないだろう。紗季は、もし社長に俺との関係を問い詰められたとしても、レイプされたとか脅されたとかは絶対言わないはずだ。
そんなことを様々に考えながら、俺は社長室に入った。
社長は俺に挨拶もさせない内に、怒鳴るような声で
「お前、俺の娘と付き合ってるのか?」
と聞いてきた。
俺は「はい」と答えるしかなかった。
「身体の関係か?」
俺は黙って頷いた。
すると社長の顔が見る見る赤くなり、俺は恐怖を感じたが、無理に怒りを押し留めるようにふぅっと大きく息をつくと
「お前、紗季に、夜遊びを止めるように言ってくれたそうだな」
と言った。ここで俺はようやく、なぜ紗季との関係が社長にバレたのか、理解した。
だがだからといって、『そうです!俺はお嬢さんのためを思って…』などと言って社長に媚びるのは、俺のキャラじゃない。俺はぶっきらぼうに
「俺はただ、紗季みたいなお嬢が夜遊びなんかしてたらどうなるか、俺が見てきたまんまを話してやっただけです」
と言った。
社長はどこまで俺の言葉をきいていたんだか、『まったく…俺があんなに言ってやったのに…なんで…』などとブツブツ呟いていたが、そのうちフゥッと溜め息をつき、
「どうやら、今のあいつに必要なのは俺じゃなく、お前の方みたいだから、交際は認めてやる。その代わり!」
ギロッと俺を恐ろしい顔でにらんで、
「俺の娘だぞ!いい加減に扱いやがったら、クビだけじゃすまねぇからな!」
と、怒鳴るように言った。
俺は「分かりました」と頭を下げるしかなかった。
その夜、俺はすぐに紗季の部屋に行き、ことの顛末を話した。
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