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佐野が歩いて行った方角だと駅まで途方7〜8分位、ユメの方向だと10〜15分位。さっきの中華屋で大瓶5本を空けていながらやっぱり冷静な所があって…普通逆だろ…佐野の方が力があるのか?なんて考えながらユメを追跡。
駅から離れる程、人通りは少なくなり、場末感がある古いホテル街となっていき…一瞬、ユメを見失うも路地を曲って更に曲って…物影から撮影していると小汚いラブホの前で帽子は外しカバンに入れた。
間違いなく…100メ!
怒りMAXをゆうに超えた。こんな奴に時間を使って…昇進までかけられて…その時は○意すらあった。
ユメは帽子をしまってからコンパクトを出し私に後ろを向ける形で立ち止まっていた。
元々A社の仕事なんて無くなっても良い。とは思ってはいたが酔いと怒りで一言言わねば気が済まん!とユメの前まで歩みを進めた。
ユメは気が付かなかったが肩を叩き、怒りMAXなのに、やっぱりサラリーマン…すみません…と…はっ!とした感じでユメは後ろを向いたが後ろめたさなのか?場所的な事なのか?あっ!すみません!と急いでコンパクトを仕舞い、ペコッと頭をさげその場を離れようとした。
ちょっと!とユメの肩を掴みこちらを向かせたが私服のせいなのか?元々、私?うちの会社に興味が無いのか?この場を早く離れたいのか?私に気が付かない。○○社の…と言うと血の気が引くとはこの事か…位、目を見開き息を飲んだ…
ど〜言う事でしょうか?冷静な方が怖い…のでは無く自分自身プチパニックだった。お聞きになってますか?ユメはあっという間に血色が戻り…何の事!?と…
「B社佐野さんとの事、一部終始見てました。」「はぁ〜?知らないわよ…」
「知らないも何も」
「あなたに関係無い事でしょ!」
「おおいに関係あります。お互い御社にプレゼン控えている関係ですよ。」
「だったら何!もう帰るからどいて!大きな声出してもいいのよ。」
「出したければご自由に。」
と言うとユメはどいてよ!と私を突き飛ばした。2〜3歩…ユメが歩き出した所でスマホの動画を再生した。
「ちなみに証拠もあります。」
ユメは「証拠」と言う言葉に反応したのか振り向きスマホを覗くと自分達がさっきまで入っていたラブホが映っている所だった。
目が泳ぎまた血の気が引いて行くのが分かった。動悸も早くなった様で、ドギマギしながらちょっと…どこまで…これ何…と呼吸が落ち着かず見てる動画にパニックを起こしていた。
「これわかりますか?」
「………」
ちょうど2人でホテルから出て来た所まで早送りしユメに見せた。ここで謝らない。それどころか食いついてくる…広告会社の本部長ともなれば修羅場はいくらでもくぐってきたはず。
「で何?次のプレゼン勝たせればいいの?」
「そんな事言ってません」
「じゃあなんなの?ストーカー?気持ち悪い」
正直、私もこれを見せたからと言ってその先、なんなのか?までは考えていなかった。本当に冷静さに対し怒りが勝った…衝動的な行動だった。
気持ち悪い…なんでこんなババアにそんな事言われなきゃいけない?
「では…もういいです。こちらの映像を、御社、B社、両ご家庭に出させて頂きます」
その瞬間、ユメはキョロキョロしだし、私の腕を掴んで目の前の小汚いホテルへ引きづって入って行った…
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